「ナビスコ」ブランドで日本でも親しまれた「リッツ」や「オレオ」などのビスケットが、9月12日から販売元が変更された。
ネット上では、新旧商品の味の変化に戸惑う声が見られる。
モンデリーズ・ジャパン社は、リッツは「日本の消費者の味覚に合わせてグローバルのレシピを改良」、オレオは「今回日本市場のために消費者テストを重ね」たと説明している。
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そんなに違うのか。編集部でも食べ比べてみることにした。
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まずリッツ。パッケージ(右がヤマザキ製、左がモンデリーズ販売)を見ると、中央の「RITZ」の文字が若干大きくデザイン変更された。原産国は国産からインドネシア産になり、原材料には「レシチン(大豆由来)」「酸化防止剤」が新たに追加されている。1枚あたりのエネルギーは17.46kcalから16.83kcalへ、若干少なくなった。
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右が旧製品、左が新製品。焼き色がかなり明るくなったのがはっきりと分かる。
実際食べてみると、旧リッツの香ばしさやパリッとした食感は、かなり変化した。新リッツは柔らかくなり、旧リッツの感覚で皿に盛りつけようとすると崩れやすい。
編集部員の試食した感想は「私はほとんど違いが分からない」という声もあるが「旧リッツに比べてコクがなくなった感じがする」「旧リッツはしっかりした味わいだったのが、新リッツはサクサクして軽い口当たりになった」という意見もあった。
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続いてオレオ。新パッケージ(左側)は「ORIGINAL」の文字が入った。原産地は国産から中国になり、こちらも原材料に酸化防止剤が新たに加わった。1枚あたりのエネルギーは53.3kcalから53.5kcalへ、こちらはほんの少し増えた。
右が旧製品、左が新製品。外見はほとんど違いが分からない。甘い物に目がない編集アルバイトの女子大学生は「花の模様がほんのちょっと大きくなったような…気がします」と指摘した。しかし、クッキーをはがしてみると、白っぽかったクリームが黄色みを帯びた色になるなど、はっきりと違う。
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味は、甘い物に執着しない私は、ほとんど違いがわからなかったが、スイーツにこだわる女子編集部員からは「新製品はクッキーからココアの苦みが少なくなり、それに合わせてクリームの味も軽くなった」「何となくアメリカナイズされた感じ」という感想も。
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リッツはチーズサンドも大きく変わった。原産国はリッツと同様インドネシアに。原材料は旧製品の「アナトー色素」が消え、酸化防止剤が加わった。クリームの色も、比べると一目瞭然だ(右が旧製品、左が新製品。旧製品は何度かはがしてみたが、どうしてもクリームがきれいにはがれない)。編集部からは「濃厚な味わいから軽い味わいになった」「リッツが軽くなったのに合わせて、チーズクリームも軽くなった」と、違いを指摘する声が出た。
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ところで、ヤマザキビスケットはナビスコブランドの販売終了後、リッツの後継商品として「ルヴァン」を発売した。デイリーヤマザキなどヤマザキ系の小売店などで購入できる。原材料に「ライ麦粉」が加わり、厚みを増したことで1枚あたりのエネルギーも17.46kcalから19.54kcalに増えた。
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正方形の角を落とした八角形にしているが、焼き色や表面の食塩の味わいは完全に旧リッツと同じ。ただし旧リッツと比べてルヴァンは厚みがある。編集部内では「これは旧リッツ。もうこれを食べるしかない」「厚みが違うので食感が全然違う。こうなるとまるで別の食べ物」と、賛否は分かれた。
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一方で、チーズサンドタイプの場合、ルヴァンのチーズクリームは旧リッツ製品そのまま、というわけではないようだ。クリームの色は旧リッツのチーズサンドより薄く、味も「新リッツに近くて軽い味」という声が編集部で出た。