アメリカの名門スタンフォード大学の水泳チームに所属していた元学生で、2015年1月18日、女性に性的暴行を加えたブロック・ターナー(21)が、禁錮3カ月の服役を終えて9月2日早朝、釈放された。
ターナーは2015年1月18日、酒に酔って意識を失っていた当時22歳の女性を大型ごみ容器の脇でレイプした。
たまたま通りかかった大学院生2人が、ターナーにタックルし、女性は病院に搬送された。ターナーは強姦罪で逮捕された。
3月にターナーは、強姦罪など3件の性的暴行罪で有罪判決を受けた。最長で14年の懲役が下される可能性があったが、サンタクララ郡刑務所の量刑は、わずか禁錮6カ月だった。
実際には、3カ月しか服役しなかった。拘留前の彼の言動が「よい振る舞い」だったため、評価が機械的に適用されたという理由で服役期間が短縮された。AP通信によると、彼は白いSUV車に乗り込んで刑務所をあとにし、両親と一緒に生活するため故郷のオハイオ州に向かう予定だという。
ターナーは死亡するまで性犯罪者として登録されるとともに、3年間の保護観察処分を受けなくてはならない。
被害者の女性が6月に法廷で加害者への怒りを綴った陳述書をBuzz Feed Newsが公開したことで、このレイプ事件は国中の注目を集めた。
こちらはその陳述の一部だ。
その朝、私が聞かされたのは、ごみ箱の後ろで発見されたこと。見知らぬ人間に犯された可能性があること。HIVの再検査を受けるべきだということ。検査結果が出るまで、時間がかかるから、ということ。そして、とりあえず帰宅し、普段の生活に戻るべきだと。これだけでした。こうした情報だけ聞かされて、元の生活に戻らなくてはならないときの心境を、想像してみてください。
彼女の切実な陳述をもってしても、長期懲役刑の判決を得ることはできなかった。そして多くの人たちが正義が破綻したと考える今回の判決に、アメリカ国民が反応した。
100万人以上の人々が、ターナーに判決を下したサンタクララ郡上級裁判所裁判官アーロン・パースキーの罷免を求めて署名した。パースキーは8月に刑事裁判所を去り、現在は民事訴訟を扱っている。
一方で、カリフォルニア州議会は意識のない女性に対する性的暴行に対して強制的に懲役を課す法律を可決した。この法律が今回の事件の前に制定されていれば、ターナーは少なくとも3年の実刑判決を受けていた。
AP通信によると、オハイオ州ジーニアの保安官からターナーの近隣住人たちに対して有罪判決を受けた性犯罪者が近くに引っ越してくることを伝える通知書が送られる。
ターナーは3カ月に1度、地元の郡保安官事務所で自分の所在を直接報告することが求められる。また両親と一緒に住んでいること、事前通告なしに保安官代理から任意の検査を受けなければならない。ターナーは、公園、学校、その他子どもが集まる場所への立ち入りを禁止される。
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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