【UPDATE】2016/08/18 10:34
韓国統一省は8月17日、駐イギリス北朝鮮大使館のテ・ヨンホ公使(55)が、家族とともに最近、韓国に入国したと発表した。記者会見で報道官は「現在、政府の保護下にあり、必要な手続きを進めている」と述べた。
統一省によると、これまで脱北した北朝鮮の外交官の中で、最も高位にあたるという。
【元の記事】
イギリス駐在の北朝鮮の高位外交官が、現地で亡命を申請したとの情報が各地で報じられている。
金正恩体制になってから、金一族の体制を支持してきたエリート層の脱北が続いていると報じられており、動向が注目される。
韓国の中央日報は8月16日、イギリス駐在北朝鮮大使館の領事業務担当の外交官が8月初め、夫人と子供とともに亡命したと伝えた。同紙は北朝鮮の消息筋の話として、「緻密な事前準備をして、第三国で亡命手続きをしている。北朝鮮大使館が所在把握に乗り出したが、追跡には失敗した」と伝えている。この消息筋によると、この外交官は領事業務のほか、ロンドン周辺に住む脱北者の動向を把握する仕事もしており、北朝鮮の人権侵害に対する国際的な批判の高まりに反論するよう、本国から指令を受けたことを苦痛に感じたとしている。
イギリスのBBCは8月16日、この外交官の名前を「テ・ヨンホ」氏と伝えた。職位は「deputy the ambassador」(次席大使または公使)で、大使館ナンバー2とみられるという。
テ・ヨンホ氏はイギリスに10年、家族とともに暮らしていたが、数週間前にロンドン西部の自宅から姿を消したという。ガーディアンは、テ・ヨンホ氏の息子の同級生の話として、同級生が7月中旬から姿を消して、すべてのソーシャルメディアが削除されたとの証言を伝えた。
テ・ヨンホ氏は2年前にYouTubeで、イギリスと北朝鮮の生活様式を比較して北朝鮮の優秀さを強調する動画を残している。
ハフポスト韓国版が聯合ニュースをもとに伝えたところによると、テ・ヨンホ氏は高等中学校在学中に中国留学の経験があり、平壌国際関係大学を卒業して外務省に配属された。デンマークに留学し、1993年からデンマーク大使館書記官、EU担当課長などを歴任した北朝鮮のヨーロッパ専門外交官でもある。