KEYSTONE-FRANCE VIA GETTY IMAGES/もしあなたが独身であっても、あなたは順調でしょう。
社会には、「結婚=幸せ」であり「独身=とても不幸せ」という固定観念がある。結局、結婚した人がより幸せなのは明らかだ、と私たちはうんざりするほど言われてきた。
ただし少なくとも、8月初旬にアメリカ心理学会(APA)の年次大会で発表された研究によると、シングルの人たちは同年代の既婚者より、実際には、より豊かな社会生活を送り、より優れた精神的な成熟を遂げていると判明している。
「シングルの人は、私たちが(「独身=とても不幸せ」と)信じ込まされてきたよりもはるかに良く暮らしています。いくつかの点では、彼らは既婚者よりも優れています」とカリフォルニア大学サンタバーバラ校の科学者であるベラ・デパウロ氏は述べた。
「研究は、シングルで生きることが、個人の成長と進歩といった恩恵があることを明らかにしています」と彼女は続けた。「実際に、この研究は、シングルに対するあらゆる否定的な固定観念を否定しているのです」
デパウロ氏は、個人の成長と幸福の関係性について、既婚と未婚の影響を調べた最近の学術論文の調査を行なった。2000年以来、結婚については約2万件の研究結果が発表されてきたが、未婚者に関する研究はわずか500件程度であると、同氏は明らかにした。そしてその研究の大半が、「独身生活をもっとよく理解したい」という動機で始められたものではなく、むしろ既婚者の方がより順風に暮らしていることを証明したいという願望から始められたものだった、と同氏はコメントした。
しかし実際には、最新の研究結果から得られた内容は、これまでに発表と大きく異なっていた。同氏が検討したある研究では、シングルは既婚の対象者と比べて、5年間では、より個人的な成長を遂げていたことが明らかになった。
またシングルは既婚者よりも、「私は重要だと自分が思うことに従って、自分で判断する」と「私は自分の意見に自信を持っている」といった意見に同意することが多かったという。別の研究は、「独身でいることにより、社会的つながりが深まる」ことを明らかにしていた。
「固定観念に従えば、独身者は孤立し、一人ぼっちになると考えがちですが、実際には、彼らは既婚者より他の人々と深く結びついています。そして人々は結婚すると、視野が狭くなるのです。固定観念によれば、シングルは自己中心的な喜びを追求する人ということになります。しかし実際には、シングルは、既婚者よりも他人の世話を多く引き受けています」とデパオロ氏は語った。
デパオロ氏が指摘しようとしている点は、「独身でいることが、既婚であることより必ずしも良いというわけではない」ということだ。ただ独身生活は、あらゆる大人が逃げ出さなければならない状況ではないという。これは、より研究の価値がある。
疑う余地はないのか? 恐らく。しかし、シングルの成人に対する悪意のある不名誉な烙印が、今なお存在することも否定できない。とりわけ女性に対して。たとえ今のアメリカでは、未婚女性が既婚女性を数を上回っていてもだ。
これからは、もし誰かがあなたに「まだ独身なの?」と尋ねてきたときは、いつでも「科学は私を支持しています」と答えてもらいたい。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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