リオデジャネイロ・オリンピックで8月13日、柔道男子の全日程が終了した。今大会で日本男子が獲得したメダルは、金メダル2個、銀メダル1個、銅メダル4個。全階級でのメダルを獲得する快挙を成し遂げた。男子代表の井上康生監督(38)は「この7人は歴史に大きく名を刻んでくれた」と選手の奮闘を称えた。
スポニチによると、選手との4年間について質問が及ぶと、思わず号泣し「選手を信じることだと思います」と声詰まらせると、もう一度「選手を信じること。それだけだったと思います」と語った。「今回は最高の選手と、最高のスタッフと、この最高の舞台で戦えた幸せを感じとれた涙だったと思います」と声を震わせた。
井上監督は2012年、前回ロンドン大会で金メダル「ゼロ」に終わった男子柔道の再建を託されて監督に就任した。初の国際大会となるグランドスラム東京大会前には、選手やコーチ陣の前で「私は4年間、みんなと一緒に命懸けで闘っていくと決めた。だから中途半端な気持ちの人間は今すぐここで辞退してほしい」と決意表明したという。
リオで選手と練習する井上監督
その後、練習量に頼っていたやり方をあらため選手の肉体改造に着手したほか、海外の民族格闘技を学ぶなど様々な改革を進めた。
今大会は、敗者復活戦を勝ち上がり銅メダルを獲得した選手も多い。井上監督は、必勝を期した2004年アテネ大会の4回戦で敗れ、気持ちを立て直せず敗者復活戦に負けた自らの経験から、オリンピックのメダルがどれほど大きな意味を持つかを実感していた。選手に「闘える尊さ」を植え付けるため、出場機会を均等に与えつつ結果に応じて絞り込んだという。
100キロ級で銅メダルを獲得した羽賀龍之介の試合後に、井上監督は「敗者復活戦から最後まで闘い抜いた姿は立派だった。(全員メダルに)死に物狂いで、死力を尽くして闘ってくれた。本当にたたえたい」とコメントした。
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