世界で展開するインターネットメディア「ハフィントンポスト」の共同創業者兼編集長のアリアナ・ハフィントンが8月11日、スタッフ向けメールで退任することを伝えた。心身の健康を大切にする新しい生活のスタイルや働きかたを提案する新会社「Thrive Global」の設立や運営に注力するためという。ウォールストリート・ジャーナルなど大手メディアも報じた。
ハフィントンはスタッフ向けのメールで、「この11年間、ハフポストは人生の中心であり、率直に言って最後の仕事だと思っていた。たった5人でロサンゼルスのオフィスで働いていた頃は、16か国・地域(予定)で展開する世界的なニュースサイトに成長するとは想像できなかった」と語った。
Advertisement
ハフィントンは「ハフポストを指揮することと同時に、Thrive Globalを育てることは可能だと思っていたが、Thriveが大きくになるにつれて、それが幻想だと気付いた。仲間と一緒に築き上げたものがあるからこそ、こうした決断ができた」と語った。
ハフィントンはギリシャ生まれ。父親は新聞発行人で、幼い頃から言論や活字が身近だった。10代で英国にわたり、ケンブリッジ大学を経て作家の道に入った。
Advertisement
保守派の論客だったが1990年代、「貧困」や「格差」の解決に関心が向き、リベラル派に転じた。持ち前の明るさで米国の政財界や社交界で頭角を表し、その後もカリフォルニア州知事選に出るなどした。2005年に数人の仲間とハフィントンポストを創設。有名人のブロガーを集めたりリベラルな言論を展開したりして注目を集めた。2011年に米インターネットサービス大手のAOLに買収された後、規模を急速に拡大し、日本版が2013年に設立された。