石原伸晃・自民都連会長や「都議会のドン」は逃走?小池百合子氏の処分は【都知事選】

小池氏を猛批判していた石原氏は7月31日夜、予定されていた記者団の取材を受けずに、事務所を後にした。

東京都知事選で自民党の推薦を受けずに立候補、当選した小池百合子氏に対する党の処分に注目が集まっている。一方で、推薦した候補の増田寛也氏が、小池氏に大差で敗れたことで、自民党東京都連の石原伸晃会長の責任を問う動きも出ている。

「わがまま」「自民党の人ではない」と小池氏を猛批判していた石原氏は7月31日夜、予定されていた記者団の取材を受けずに、事務所を後にした。産経ニュースなどが報じた。

また、小池氏が名指しで「都議会のドン」と批判していた内田茂・自民党都連幹事長も31日夜、増田氏の事務所を足早に立ち去ろうとしたが、事務所の外で記者団に囲まれると「完敗でしょうね」とコメント。また、都連幹部としての責任を問われると「(増田氏の推薦は)みんなで決めたことなので、みんな責任を感じているのでは」と話した。日経新聞などが報じた。

増田寛也元総務相の選挙事務所を出た後、報道陣に取り囲まれる自民党都連幹事長の内田茂都議(中央)=31日、東京都千代田区隼町

小池百合子氏は、東京都連が増田氏擁立の動きを見せると、都連に提出していた推薦願を取り下げて立候補し、事実上の分裂選挙を招いた

そのため、自民党東京都連の石原会長は増田氏の応援演説で小池氏を「わがまま」「自民党の人ではない」などと批判。さらに、自身や内田茂幹事長らの連名で文書を出し、小池氏を支援した場合は親族も含めて「除名等の処分の対象」と締め付けを図った。

しかし小池氏はこうした批判も味方につけて、政党の組織的な支援がないことを積極的にアピール。「もう崖から飛び降りている」「私も火あぶりになるかもしれないが、その覚悟でいきたい」と背水の陣を訴え、有権者の共感を誘った

選挙戦の結果を受けて、都連の下村博文会長代行は、1日午前にテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」に出演。小池氏と中継で話した後、「反党行為。除名なのか離党させるのか、いろんなやり方がある。党紀委員会で判断する。何もしないのはあり得ない」と自民党として処分を検討すべきだと指摘。一方、「われわれもけじめは考えたい」と都連側の責任についても認めた。

こうした処分を求める都連の声に対し、菅義偉官房長官は1日午前の記者会見で、「政府が関わることではない。都連の問題だと思う」と述べ、言及を避けた。小池氏優勢が伝えられた終盤にも安倍晋三首相は増田氏の応援に駆けつけることはなかった。

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