スマートフォンゲーム「ポケモンGO」で、東京電力の福島第一、福島第二、柏崎刈羽(新潟県)の3つの原子力発電所のいずれかでポケモンが表示されることが判明した。東京電力は、原発内にポケモンが出現しない設定にするよう、ゲームの開発会社に申し入れた。NHKニュースなどが報じた。
■東京電力「どこで表示されたか明らかにできない」
毎日新聞によると、ポケモンGOの国内配信の開始以降、東京電力が福島第1、福島第2、柏崎刈羽(新潟県)の3原発の敷地内で調査したところ、いずれかの原発でポケモンが表示されることが判明した。東京電力は「人が押し寄せてくる可能性があるため、どこで表示されたかは明らかにできない」と説明している。
これを受けて東京電力は、ゲーム上にポケモンを出現させないことや、アイテムなどを入手できるポイント(ポケストップ)を設定しないことをゲームの開発会社に文書で申し入れた。原子力規制委員会も国内の原子力事業者に対して、原発周辺の警備などについて注意を促した。
東京電力は、対象となる原発に出入りする関係者に向けて、原発の構内でポケモンGOを利用しないよう周知したほか、火力発電所などでも警備を強化する方針だという。
一方で毎日新聞は、開発会社ナイアンティックの広報担当者の話として、「少なくとも福島第一、第二原発は非表示の設定にしている」と伝えた。実際にポケモンが表示されたかは「すぐに分からない」としている。
ポケモンGOをめぐっては、福島第1原発事故の避難指示区域でも遊べるとして、福島県の内堀雅雄知事が「一般の方々がゲームの流れの中で立ち入るのは好ましくない」と述べ、国と対策を検討する考えを表明している。
■アメリカでは侵入事例も 「原発はピカチュウを探す場所ではない」
ポケモンGOが先行配信されたアメリカでは、10代の若者3人がオハイオ州にある原発の敷地内に侵入するトラブルが発生した。NRC(アメリカ原子力規制委員会)は「(核物質のある)原発は厳重に守られ、警備員は銃で武装している」と強調し、「原発はピカチュウを探す場所ではない」と注意を喚起した。
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