(左)芥川賞を受賞した村田沙耶香さんの『コンビニ人間』が掲載された「文学界」(右)直木賞を受賞した荻原浩『海の見える理髪店』
第155回芥川賞と直木賞の選考会が7月19日に開かれ、芥川賞には村田沙耶香(むらた・さやか)さんの『コンビニ人間』、直木賞には荻原浩『海の見える理髪店』が選ばれた。NHKニュースなどが報じた。
■芥川賞、村田沙耶香さんの『コンビニ人間』
芥川賞の受賞が決まった村田沙耶香さんは、千葉県出身の36歳。2003年に発表した「授乳」で群像新人文学賞優秀作を受賞してデビューした。その後も「ギンイロノウタ」で野間文芸新人賞、「しろいろの街の、その骨の体温の」で三島由紀夫賞をそれぞれ受賞するなど、実力派作家として小説を発表し続けるかたわら、現在も週3日、コンビニでのアルバイトを続けている。
受賞作の「コンビニ人間」は、幼少期から大人になるまで学校や社会になじめず、18年も同じコンビニでアルバイトを続けている36歳の独身女性が主人公の物語です。マニュアル化されたコンビニの店員であることに自分らしさを見いだした主人公と、結婚や正社員になることを主人公に期待する周囲とのギャップを通して、「普通」を強要する社会の風潮を独特のユーモアを交えて描いています。
(芥川賞に村田沙耶香さんの「コンビニ人間」 | NHKニュースより 2016/07/19 19:18)
■直木賞、荻原浩さんの『海の見える理髪店』
直木賞の受賞が決まった荻原浩さんは埼玉県出身の60歳。広告制作会社に勤務後、フリーのコピーライターとして活動しながら小説の執筆を開始。1997年に「オロロ畑でつかまえて」で小説すばる新人賞を受賞してデビューした。山本周五郎賞を受賞し、映画化された「明日の記憶」など話題作を次々に発表し、直木賞は5回目の候補で受賞した。
受賞作の「海の見える理髪店」は、二度と会うまいと思っていた母親と再会した女性や、中学生だった娘を亡くした夫婦などが主人公の、家族をテーマにした6つの作品からなる短編集です。
このうち冒頭に収められた表題作は、海辺の小さな町にある理髪店を1人で切り盛りする高齢の店主が、若い男性客に自分の半生を話し続け、鮮やかな結末に至るまで人生の哀歓がつづられています。
(直木賞に荻原浩さんの「海の見える理髪店」 | NHKニュースより 2016/07/19 19:18)
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