テレーザ・メイ内相にキスする夫のフィリップ・ジョン・メイ氏
イギリス首相に就任する保守党のテリーザ・メイ内相は7月11日、同僚議員たちとともに議事堂前で会見に臨んだ。
「党首として選ばれ、光栄に存じます。そして身が引き締まる思いがします」と、メイ内相は述べた。「特権的な少数の人たちのための国ではなく、国民全員のためになる国のビジョンを示し、今まで以上に国民が自分の生活を自分自身で決められるようにします。私たちはみなさんとともに、より良いイギリスを作っていきます」
また、メイ内相は議員たちに、「2020年まで党にはやるべきことがある」と語り、今後4年間党首を続けるつもりで、今秋に総選挙をするつもりはないことを示唆した。
メイ内相が新首相に決定した瞬間、保守党の議員たちは慣例に従い、保守党議員委員会(1922年委員会)のグラハム・ブレイディ委員長に向かって机を叩き、拍手喝采し、大声援を送った。
この日の午後、保守党議員たちはデイビッド・キャメロン首相の辞任発表から3週間足らずで新しいリーダーを迎えるに際して、喜びを隠そうとはしなかった。
議員たちは午後5時、公式発表のためにウェストミンスター宮殿内にあるガラス天井の議員会館「ポートカリスハウス」の会議室、通称「ブースロイドルーム」に集まった。
ブレイディ氏は温かく同僚議員たちを出迎えた後、次期首相を争っていたアンドレア・レッドサム氏がこの日の午後、党首選からの撤退を発表した。
「党の委員会から承認を得たのでメイ氏が保守党の党首に決定しました。これはただちに発効されます」 とブレイディ氏は述べ、議会の伝統に基づき、机が盛大に叩かれた。
少ししてから、保守党の新しい党首となるメイ内相が、部屋に通じる廊下に現れた。
メイ氏は、「おめでとうございます」と声を掛ける記者たちの輪の中を歩いて通り、同僚議員たちが歓声をあげ、拍手し、机を叩く部屋に入った。
メイ氏は短い演説の中で、離脱運動では残留派だったが「離脱は離脱で、私たちはそれを成功させます」と再度強調した。
「メイ氏は党首選を競った同僚たちを称え、特に最終投票まで残りながら撤退という決断をしたレッドサム氏の名前を挙げていました」と、ある議員はハフポストUK版に語った。
大半の議員が部屋を出る前に、レッドサム氏を支援していたスティーブ・ベイカー氏が現れて声明を読み上げ、党の結束を強調した。
「今日の決断は間違いなく正しかったと考えています。なぜなら保守党議員たちはテリーザ・メイ氏への支持で完全に団結していたからです。私たちは今日アンドレアが勇気ある決断をし、下院議員たちの望みどおりに党首の座をテリーザ・メイ氏に譲ったことに感謝しています」
「多くの選挙ボランティア団体が、2人による党首選が行われないことに落胆していたのは理解しています。ですが、アンドレア(・レッドサム氏)がこの国にとって何が最善か熟慮の上で、分別ある決断を下したことを彼らが理解してくれることを願います。そのことはテリーザ・メイ氏に対するこの反応を見れば分かることです」
ベイカー氏が話し終えると、部屋は解放され、保守党議員たちが廊下にあふれ出した。ほとんどがその顔に喜びに満ちた笑みをたたえていた。
議員たちの一団は、メイ氏がテレビカメラに向けて演説を行うウェストミンスター宮殿のセント・スティーブンス門へとそろって移動した。
議員たちは、議事堂でもある歴史あるウェストミンスター宮殿を歩いて重厚な木製のドアの後ろに集合し、メイ氏への支持を目に見える形で外部の人々に向けて正式に表す時を待った。
保守党議員たちのこの行進を見て、労働党に近いある記者はこんな皮肉を言った。「まるで迷子の集団みたいだ」
実際、17日間の空白の間に、この集団は新しいリーダーを見つけたのだ。
国内メディア、それからメイ氏の選挙運動グループの議員たちが歴史的瞬間を一目見ようと下院へと続くセント・スティーブンス門の前に集まった。議会スタッフも建物の上の窓から身を乗り出し、その様子を見守っていた。
ハフポストUK版より翻訳・加筆しました。
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