体外受精や代理母出産で子供を授かったセレブたち。気持ちを包み隠さず語る

セリーヌ・ディオンもニコール・キッドマンも不妊治療を経験した。

不妊症とは「12カ月間、避妊しない性交渉をした後でも妊娠しない」ことをいう。第一子の出産後に、第二子を妊娠しない場合は続発性不妊症と呼ばれる。

どちらも原因は様々で複雑だが、アメリカでは6組に1組のカップルが、不妊症だと言われている。不妊治療に取り組む人たちを勇気づける存在が、体外受精や妊娠出産の経験を公にしているセレブたちだ。

現在アメリカでは、新生児の約1.6%が体外受精や代理出産などの生殖補助医療(ART)で生まれてくる。しかし、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によればARTを利用できない人たちはまだまだ多い。原因の一つが、高い治療費だ。アメリカ生殖医学会のウェブサイトには、体外受精一回分の治療費は平均で12,400ドル(約130万円)と書かれている。そして、健康保険でカバーされることはほとんどない。

体外受精を明らかにしたセレブも、子供が授かるまでの道のりは決して楽ではない。しかし彼らは、流産や体外受精の失敗も含め、自分たちの経験を包み隠さずに語っている。

ニコール・キッドマン

ニコール・キッドマンは、現在の夫キース・アーバンとの間に二人の子供がいる(前夫トム・クルーズとの間には二人の養子を迎えた)。2008年に長女を出産し、2011年には代理母出産で次女を授かったキッドマンは、オーストラリアの雑誌「Who」の2008年のインタビューで、こう語っている

「子宮外妊娠と流産を経験し、不妊治療を受けました。妊娠するために、ありとあらゆる方法を試し、挑戦と失敗を繰り返しました。同じ経験をした女性なら、この気が滅入りそうな気持ちがわかると思います。だから妊娠したとわかった日曜日、『ほんと?信じれない!』と思いました。成功率はとても低かったから。奇跡でした」

サラ・ジェシカ・パーカー

女優のサラ・ジェシカ・パーカーは、2002年に第一子を出産した後、2009年に代理母で双子の娘を授かった。双子に病室で初めて会った時の体験は、今まで一度も味わったことがないようなものだったと、彼女はヴォーグ誌に述べている

「出産をせずに子供たちと出会うのは、まるで停止したアニメを見ているみたいでした。妊娠も含めた他の全てのものが一瞬にして消え去り、世界が止まったかのようでした。どう説明したらいいかわからないけれど、とにかくただ嬉しくて興奮しました」

セリーヌ・ディオン

セリーヌ・ディオンと亡き夫レネ・アンジェリルは、体外受精を7回受け、2001年に男の子を一人、2010年双子の男の子を出産した。長男は、ディオンが33歳の時に一度の体外受精で生まれた。しかし、42歳だった二度目の出産は、一度目よりずっと大変だった。流産と度重なる不妊治療に耐えてついに三つ子を授かったが、妊娠中に一人亡くなった。

体外受精が失敗する度に、長男も悲しい思いをした、とディオンは2013年にデイリー・メール紙に語っている

「もうすでに、子供を一人授かったじゃない、と自分に言い聞かせなければなりませんでした。自分の人生や、自分自身、そして幸福の全てを、妊娠に託したくなかったから。息子のレネ・チャールズに『あなたに弟か妹ができるといいんだけれど』と話し、妊娠しなかったのがわかるたびに『上手くいかなかったの。もう一度試すわね』と言いました」

コートニー・コックス

数回の流産を経験した後、血液中にある珍しい抗体のせいで臨月まで妊娠が続かないことがわかったコックスは、体外受精を試し、2度目で無事に妊娠した。流産を繰り返していた時に人気テレビ番組「フレンズ」に出演していたコックスは、収録がつらかったと、2004年のNBCのインタビュー番組で明かしている。

「流産したばかりの時、レイチェル(主人公の一人)が出産中でした。流産と全く同じタイミングで、面白い演技をしなければいけなくて、すごくつらかったです」

ヒュー・ジャックマン

俳優のヒュー・ジャックマンと妻で女優のデボラ=リー・ファーネスは、体外受精を2度試したが、いずれも流産に終わった。ジャックマンは、2013年に雑誌「グッド・ハウスキーピング」のインタビューで、その時の気持ちをこう語っている

「体外受精をして妊娠した後も、毎日毎日不安な気持ちで待ち続けなきゃいけませんでした。それに彼女は、妊娠するまでにとても大変な経験をしてきたから、その後に流産した時は、大きな失望だったよ。ほんとうにつらい時期だった。特に、女性の方がずっと大変だと思う」

二人の出身地オーストラリアでは、養子探しと体外受精を同時にするのが禁止されている。そのため二人はアメリカで養子を探し、2000年に生まれた男の子と、2005年に生まれた女の子を家族として迎えた

クロエ・カーダシアン

2013年、当時28歳でNBA選手のラマー・オドムと結婚してたタレントのクロエ・カーダシアンは、テレビのリアリティ番組で、排卵ができない体であること、子宮内膜の厚さが妊娠に耐えるのに十分でないことを明らかにした。そして、不妊との闘いや、結婚生活、体外受精について率直に語った

しかし人生はどうなるかわからない。3年後オドムと別れたカーダシアンは、不妊治療が上手くいかなかったことを喜んでいた。2016年3月に放送されたバラエティトーク番組で、彼女は次のように述べている

「その時は最悪!って思ってました。何が何でも赤ちゃんが欲しかったから。多分、赤ちゃんいれば、状況を改善するって考えてたのね。でも今では、うまくいかなくて良かったと思っています。私はまだ27歳だったし、ただ状況を改善するために、赤ちゃんが欲しかったから」

将来は子供が欲しいとカーダシアンは思っているそうだ。

クリスシー・テイゲン

2016年4月に娘を出産した、モデルのクリスシー・テイゲンと夫で歌手のジョン・レジェンドも、体外受精を選択した。妊娠後、テイゲンは治療の過程を公の場で話したが、その中で着床前に赤ちゃんの性別を選択したことに触れたため、批判を受けた。

しかしテイゲンは、冷静に批判に対応している。彼女は「『女の子を作るために体外受精をした』とか『女の子を選び、男の子になる可能性があった受精卵を全て捨てた』という誤解があったみたい」とツイートし、事実はそうではないことを説明した。残りの受精卵は将来のために保存していることを明らかにし、こんなユーモアあふれるツイートをしている。

「ベーコン好きで、魔法が使えて、いつでも靴が見つかるように身長2メートルある女の子を選びました」

ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

▼画像集が開きます▼

家族のかたち」という言葉を聞いて、あなたの頭にを浮かぶのはどんな景色ですか?

お父さんとお母さん? きょうだい? シングルぺアレント? 同性のパートナー? それとも、ペット?

人生の数だけ家族のかたちがあります。ハフポスト日本版ライフスタイルの「家族のかたち」は、そんな現代のさまざまな家族について語る場所です。

あなたの「家族のかたち」を、ストーリーや写真で伝えてください。 #家族のかたち#家族のこと教えて も用意しました。family@huffingtonpost.jp もお待ちしています。こちらから投稿を募集しています。