世界大手のテクノロジー企業マイクロソフトは6月16日、大麻取引の監視システムを開発する「カインド・フィナンシャル」と提携すると発表した。国と地方の政府機関による大麻取り引きの監督・追跡を支援するのが目的だ。マイクロソフトの「Azure Government」サービスを使って公正な大麻の合法取り引きを確実にする。
地方政府向けクラウドコンピューティング・ソリューションは特に魅力的なものとは思えないかもしれない。しかし、大麻関連の法改正を訴える非営利団体「NORML」のエグゼクティブ・ディレクター、アレン・サンピエール氏によると、今回の提携はアメリカの大麻ビジネスにとって大きな前進となる。
「マイクロソフトのような大企業が大麻ビジネス業界に参入することを非常に喜ばしく思います。他社の参入を促進することになります」と、サンピエール氏は17日、ハフポストUS版に語った。
大麻合法化への支持が全米で拡大しているにも関わらず、大手企業はこれまで大麻ビジネスの受け入れに消極的だった。例えば、アメリカのドラッグストアチェーン大手ウォルグリーンは、2016年4月に同ブランドのサイトに大麻に見込まれる健康効果についての情報を掲載した後、撤回した。
その当時、「この内容は情報提供を目的としたもので、この争点における弊社の立場を示すものでは一切ありません」とウォルグリーン社の広報担当者はハフポストUS版に述べた。
しかし、マイクロソフトが公式に大麻ビジネス業界を支援する今、パンドラの箱は開かれたとNORMLは主張する。
「現時点では、成長中の大麻業界のどこからどのように利益を得るか見つけ出す方が賢明でしょう」とサンピエール氏は語った。
共同通信によると、アメリカにおける大麻合法化の流れは、取引による税収増を狙ったもので、これまで嗜好用大麻はオレゴンやコロラドなど4州と、首都ワシントンで合法化されている。また、医療用大麻も20州以上で合法化されている。ただし、連邦法では医療用も違法としている。
H/T BBC
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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