秋田県鹿角市で射殺されたクマの胃の中から人体の一部が見つかったと報じられたが、関東地方でもクマの目撃情報が相次いでいる。
朝日新聞デジタルによると5月28日午後9時過ぎ、神奈川県相模原市の緑区ラーメン店の入り口ドアにクマが体当たりしたという。
昨年、ドアを強化ガラスに変えたのと、クマのスピードが速くて自動ドアが機能しなかったことから、クマが店内に入れず難を逃れた
(クマ、ラーメン店に体当たり 相模原でも出没相次ぐ:朝日新聞デジタルより 2016年6月14日15時26分)
カナロコによると、相模原市では5月28日、6月9日にもツキノワグマが目撃されるなど、出没情報が相次いでいる。小学校のから約500メートルの近さということもあり、市では防災無線で警戒を呼びかけるほか、立て看板12枚を設置し注意を呼びかけている。
群馬県みなかみ町にある矢木沢ダムでも6月8日、水の中を泳いでいるクマが発見された。その様子を独立行政法人・水資源機構の沼田総合管理所がTwitterに投稿している。
日本クマネットワークの調査によると、国内では21世紀に入って以降、本州でのツキノワグマの大量出没が繰り返し発生しているという。北陸や関東、西日本でも分布の拡大が確認されている。東京農大の山崎晃司教授もFNNの取材に対し「千葉を除く、関東各県、東京を含め、クマは分布しており、多くの場所で、数を増やしている可能性がある」と話した。
■「ツキノワグマに人を襲う習性はない」
日本熊森協会の公式サイトによると、ツキノワグマに人を襲う習性はないという。身体は大きいのが、臆病な動物で、人を恐れている。人家近くでは人を恐れ、夜間や早朝などに行動するという。ただ、この時に人間と遭遇すると、前足ではたいて、そのスキに逃げようとするという。
クマと遭遇しないようにするためには、大声や笛・鈴などで、人間の存在を早めに伝えることが大事だという。日本熊森協会では、もしもクマと遭遇した場合は「こわがらせないように、優しいことばをかけながら、少しずつあとずさりして離れることが大切」だとし、棒や石での攻撃はクマを刺激して逆効果になると注意している。
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