『真田丸』の兼続はイケメンボイス 「直江状」朗読が話題に
NHK大河ドラマ『真田丸』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)で直江兼続を演じた俳優・村上新悟(41)。「イケメンボイス(かっこいい声)」と話題だが、このほど番組公式サイトやYouTubeに「直江状(一部抜粋)」を朗読する村上の動画がアップされた。
東京・両国にある江戸東京博物館で開催中の特別展『真田丸』(今月19日まで)の入館者数が6万人を突破した記念セレモニー(5月27日実施)に村上が出演した際、ドラマに先駆けて「直江状」を読み上げてもらったところ、「もう一度聞きたい」「聞いてみたい」と要望が多く寄せられたことから、改めて村上に朗読してもらったという。
直江状とは、慶長5(1600)年、徳川家康による上杉家への上洛勧告に対する返書で、挑発的な内容であったことから、家康に関ヶ原の戦いのきっかけとなる会津・上杉攻めを決意させたといわれる。当時の言葉づかいはよくわからないけれど、その美声に酔ってしまいそうになる。「高校生くらいから声は変わっていないんですよね。いい声だとほめていただけるのはうれしいのですが、自分ではちょっとよくわからないですね(笑)」。
大河ドラマには『八重の桜』から『真田丸』まで4作品連続で出演(通算5作品)していることでも話題になった。「『軍師官兵衛』では大谷吉継役でしたが覆面をつけていたし、『花燃ゆ』では久坂玄瑞(東出昌大)の兄・久坂玄機役でスキンヘッドにしたんですが、撮影は3時間くらいで終わってしまい、髪が伸びるまで半年かかりました(笑)。今回、直江兼続役をいただき、本当にうれしかったです」。
『真田丸』の兼続は、「能面のように表情を変えずに『切り捨てますか?』と言えてしまう冷徹さと聡明さを持って上杉家を支えた優秀な右腕。どの武将よりも凛としていようと思い、まず姿勢をピンと伸ばして、あまり体を動かさないように演じています」。
優柔不断な上杉景勝(遠藤憲一)との凸凹コンビぶりが印象的だ。「僕たちそんなに出番ないんですけど…」と恐縮しながら、「役者になって初めてファンレターをいただきました」と照れくさそうに話す。「下は8歳の女の子から、上はよくわからないですけれど、主に兼続ファンの女性からですね。イメージしている兼続像に近いって。励みになります」。
■いち役者として村上新悟の存在を多くの方に知っていただきたい
村上は、学生時代、高等専門学校(高専)で電子制御工学を学び、大学への編入試験に挑戦するも失敗。目標を見失っていた時、ほかにすることもないからと、映画監督を目指していた親友の作品に出演するために演技を学んでおこうと思い立つ。その親友のすすめで俳優の仲代達矢が主宰する無名塾(出身者に役所広司や若村麻由美など)の入塾審査を初めて受けたのが22歳の時。
ここで落選したのも運命だったのか、その後、年に1回しかない入塾審査に落ち続けること実に3回。4回目、入塾資格の限度となる26歳の時に「仲代さんが『君はどこかで見たことあるな』って。実は3回落ちてますと答えたら、拾って下さった」。
晴れて2001年4月に無名塾に入塾して以降、舞台を中心に俳優として活動。07年『風林火山』で大河ドラマ初出演。13年に映画『書くことの重さ・作家佐藤泰志』で初主演を務めた。13年、WOWOWで放送された三谷幸喜氏の脚本・監督による“完全ワンシーンワンカット”撮影のドラマ『大空港2013』に参加。15年に無名塾を卒業した。
きょう12日放送の第23回に景勝と兼続が久々に登場する。兼続は関ヶ原の戦いのきっかけと言われる「直江状」を書いた人物でもあり、このあとも重要な局面に関わってくる。
「『真田丸』で直江兼続をやっている役者は村上新悟だと、視聴者の皆さんにまだまだ浸透していないと思うで、まずはイコールになるように頑張りたいですね(笑)。『むらかみしんご』というと、『関ジャニ∞の?』というリアクションだし、いち役者として村上新悟が存在することをより多くの方に知ってもらいたいですね。個人的なことはさておき、もっといい意味でのインパクトを残して、共演者の皆さんとの相乗効果が生まれるように、役者としていっそうの成長につなげたいと思います」。
(ORICON STYLE 2016年06月12日 08:30)
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