歌舞伎俳優・市川海老蔵さん(38)の妻でフリーアナウンサーの小林麻央さん(33)が「進行性のがんを患い、極秘入院している」と、6月9日にスポーツ報知が報じたことを受けて、海老蔵さんが9日に緊急会見を開いた。ハフポスト日本版では、都内のホテルで行われた会見をお伝えする。
▼市川海老蔵さんの記者会見での発言
本日、新聞で妻の麻央が病気という記事が出て、前々から家族は認識していたことですけれども、公になるということで、説明、ご理解、ご協力が必要と思い、このように皆様方にお集まりいただきました。
ーー麻央さんの病名は?
そうですね、単刀直入に言うと乳がんです。約1年8カ月ほど前にわかりました。
ーーわかったきっかけは?
様々な人間ドッグをふたりでよく行っておりまして、結果的には、何回か調べた上でわかりました。
ーー病名を告げられた時のステージや、進行具合は
進行具合は、かなりスピードが早いもので、なかなか大変なものだとお医者さんに言われました。
ーー勸玄(長男、かんげん)君の初お目見えの時には病院から抜け出してきたのか
そうです。去年にはすでにそういうことだったので、歌舞伎座に行くか行かないかという話もして、本人は勸玄の初お目見えということで覚悟を決めた上で、向かったわけですね。歌舞伎は初お目見えは25日間ですので、本当にいいのかという思いもありましたが。
ーー現在の本人の状況は?
比較的深刻ではあります。抗がん剤治療をやっております。抗がん剤というのは、人それぞれ、世界で病気で闘っている方、ご家族おられます。抗がん剤というのは人によって効いたり効かなかったりとあるそうで、探りながら、よかったりよくなかったりを繰り返しながら、手術をする方向に向かって治療をしています。本人は自分で全部理解していますから、前向きに病気と闘って、今も、連絡があり「行ってらっしゃい」というようなことを。
ーー入院されたのはいつから?
入院はずっとしてまして。今はつい最近、通院という形が取れるようになったので。その通院という形で今。不安定なものですから、調子が悪かったら入院することもありますし。中心的な治療は抗がん剤治療です。
ーー入院に関して、2人のお子さんの受け止めは?
長らく、1年と8カ月ぐらい。長いものですから、特に長女の麗禾(れいか)はもうすぐ5歳で、状況がわかってきているのでとても寂しい思いをしている。自分の中で闘って、踏ん張って頑張っているということを日々感じている。
ーー麻央さんご自身はどう受け止めているのか
何よりも本人が一番辛いと思うんです。麻央の家族、私の家族、子どもたち。やはりその、元気になりたいという気持ちと、小さい子どものそばにいられない、母親の気持ち。私には計り知れない辛さ、苦しさと戦っていると思うので、どのようなと言うことは。彼女も辛い時は私にそういう話もするのですが、気丈な部分がありますので、明るく振舞ってくれる。彼女の本当の部分は今ここでは...。
ーー子どもたちに、麻央さんがかけている言葉は?
お見舞いとか、たまに帰ってきたときには、かけている言葉というか、子どもと楽しく過ごす。あのー、その子どもたちもいないからどうこういうものではない。やはりその、わずかな今、病院から来ている数時間、もしくはお見舞いに行っている数時間、数十分はそういった会話ではなく、キラキラした時間を過ごしているのではないですかね。
ーー1年8カ月、麻央さんの存在の大きさ感じているのでは。
私自身も、公にするのかしないのか、麻央と一緒に悩みまして、いろんなことが起こるから、子どもたちの生活もあるし、麻央のこともあるので、今日まで隠してというか、まあ極秘だったんですけど。そう過ごす中、やはり麻央がいたからこそ私も今いますし、なんだかんだ、いないと寂しいですし、家にいないと子どもと一緒に寝ていても、子どもが寝た後に空虚な時間があったりですとか。芝居に行く時も麻央が「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」と言うのとは、私自身も1年8カ月は、違ったと。麻央という存在の大きさを、私自身が、そういう意味ではひどく痛感しているのではないでしょうか。
ーーステージは?
全部聞いていますけれど、そこら辺をどうするのかっていう、話で。うーん、ステージということで、さっき「深刻だ」という言葉で、一つご理解していただければと思いますね。簡単に治らないからこそ、今、こういう時間が経過してこのような会見になっているわけですから、まあ、そういうことです。
--しこりを取る手術は?
(入院中に)手術に至らなかったので、抗がん剤治療ということでご理解いただきたい。
ーーお子さんたちにはいつどのような形で
多分今日これを見ていると思うんです。長女はわかると思います。倅の方はどうかわからないですけど。「ママが帰ってこないのはなぜか?」というクエスチョンは最初の頃はありました。ごまかしながら喋っています。「虫に刺されたんだ」というような、元気が無くて、遊べるように、元気になるように頑張ってやっているからと話していました。
ーー病気がわかった時にはどのような声をかけた
まあ、忘れもしませんね。私もちょうど、人間ドッグで、結果が似ていたんです。どっちが陽性だなんて話で。私は陽性では無くて、麻央はそうだった。ちょうど日本橋で芝居をしていたのかな。日本橋のホテルで2人が話し合った時の…私自身途方にくれた。何もできない、でも舞台はやらなくてはならないというところで、受け止め。本人も途方にくれたというよりも、もっと。女性の方がそういう部分では気丈で冷静に物を見ている部分が大きくて、ショックは私よりも大きかった。何かこう、時が過ぎるのを忘れるような時をしばらく2人で過ごしたという思い出があります。
ーー先日、成田山新勝寺で得度されたのは、お気持ちの陰に病気のことがあったのか
関係あるようでないようであるわけですから、まああの...。少しでも、気持ちをね、クリーンにした上で向き合わないといけないですし。麻央自身も闘っている。余談ですけれど麻耶ちゃんも具合が悪くなりましたし、家族一丸で麻央さんをバックアップしているし、麻耶ちゃんも一生懸命その病気のことを隠しながらお仕事をし、ここ1年大活躍しているじゃないですか。そう言った意味でも、大変だった、各々家族の中で疲れというかそういうものが出てきてしまったんだなと。麻耶さんも真面目だし、麻央も真面目だし。そういう意味では素晴らしい姉妹だなという風に思います。
私自身も麻央が闘っている中で、麻央を支えるための仕事、公にしないと決めた上で、どれだけその瞬間瞬間を生きるかということに費やしてきたわけですから、これからも続くわけでしょうし。人は波がありますから、そういう時に切り替えるというか、ムチを入れるということで、そう言った意味でそういう行動をとったと理解していただいて構わないと思います。
ーー今朝、家の中からお子様の元気な声が聞こえてきた
おかげさまで、みなさまのことによって、我が家は今日は蜂の巣を突いたかのような状況でございまして。いろんな人たちが出入りする中、子どもたちは幼稚園行けなかったんですけど、まあ、子どもたちはねえ。それに便乗して盛り上がるっていうね。無垢なものですから。朝からお客様いっぱい来て、楽しい時間だったんでは、ないで、しょうか。わかりません。
ーー本当にお子さんは、精神的に辛いと思うんですが
子どものことを思うと「途方にくれる」なんていう言葉では乗り切ってはいけなくて。やはりまあ父親としてこの状況を逃げも隠れもせず堂々と、ドーンと受けて子どもたちのねそう言ったものの、ちゃんと、おこがましい言葉になりますけれど、導いていけるような環境づくりをきちっとしなければいけないと、自分の中では、承知しているつもりなんですが。いろんなご家庭があると思いますけども、我が家は今こういう状況の中で、弱っているのだから、私は皆を支えていくということを。子どもたちはひたすら麻央が元気になることを無垢に願っているのではないでしょうか。
ーーあえて明るく今まで以上に振舞っている?
日常ですね。1年8カ月。今日からまた我が家は切り替えて。病気ですし、子どもたちも小さいし、なるべく、見守っていただきたいなということです。
ーー実際、麻央さんにどんな言葉をかけて励まし、支えているか
そうですね。病気を患っている方どんな方もそうだと思いますが、ポジティブな部分とネガディブな部分とがある。普通の、元気な状況とはまた違いますから、私としましては、元気がない時に、楽しいくだらない話とか。よくわかると。だけども、必ず元気になると思うよという話をすることしか...。そばにもいられないことは僕の方も多いので。地方公演とか1カ月間、歌舞伎とか、テレビの撮影とか。最近は電話で1時間、2時間しゃべることもあったんですけど。そういう日々を過ごしながら、お互いのメンタルを。彼女も私を、私も駄目なところもあるので癒してくれるし、私も彼女の辛いところをバックアップできるような会話を結構、している時が多かったですね。
ーー何か麻央さんが要望するようなことは?
比較的、食欲はある時があるんですよ。そういう時に「どうしてもこれが食べたい」という時がある。お医者さんの見解は色々あるが、私の
立場からすると、好きなものを食べさせてあげたいなと、そういう時は同行したり、ちょっと食べて失礼して、そのぐらいですかね。これをしてほしいっていうのはあまりないです。
ーーお子さんに対し麻央さんは
思わなくていいと思いますが、申し訳ないという気持ちが強いのではないですか。2、3歳は子供に取っても脳みそが作られる、人生の選択をする一番最初の重要な時期。自分がそばにいて、やってあげられないことが、彼女の中では、やっぱりあの、真面目でですから心苦しいというのが、多いんじゃないでしょうか。乗り越えたつもりですが、今もこうやって、見ているんで。
ーー病室には何か置いたりとか
幼稚園で作ったものを。折り紙で作ったものとか、いろんなものを作ってきますから。「ママにあげる」というものを。お見舞いに行く時は、特に麗禾(れいか、長女)はいろんなものをママにあげています。
ーー今したいことは
休みを取らずに仕事をしてきたんですけど、体調次第でどこか行こうと思いますので、(報道陣の)皆さん、追いかけてこないようにお願いします。
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