「死と隣り合わせ」の通学 790mの崖をよじ登る中国の子どもたち

もう誰も自分の通勤に不満を漏らすことはなくなるだろう。

中国の人里離れた貧しい村に住む多くの子供たちが、危険極まりない通学環境に耐えている。

この写真を見れば、もう誰も自分の通勤に不満を漏らすことはなくなるだろう。

約792メートルの崖をよじ登って通学する中国の子供たちの姿が、最近ソーシャルメディアを駆け巡り、視聴者に大きな衝撃を与えている。

この動画に映るのは、四川省にある人里離れた貧しい村に住む、6歳から15歳までの子供たちだ。国営地方紙「新京報」が今週初めに一連の写真を掲載した。

そこには、ほぼ垂直にそびえる山の崖を、装具もつけずに古びた竹製の「はしご」だけを頼りによじ登っていく子供たちの様子が掲載されていた。ほとんどの子供は素手で、誰も安全対策をしているようには見えない。新京報によると、この通学には90分の山登りと1時間の山下りが含まれるという。

「どの山登りも死と隣り合わせのように感じられました」と、子供たちの通学に同行し、ニュースに掲載するためこの痛ましい写真を撮影した写真家チェン・ジエ氏は語った。村長は同紙に対して、過去にこの通学中に7人から8人の児童が命を落としたと語った。

中国の大手SNS「微博(ウェイボー)」では、動画を見た人たちから「作り話であってくれ!」「わが国は何百万ドルもの国際援助を受けているのではなかったか? この子たちのためにどうして道路の1本でも作ってあげられないのだ」といった投稿が寄せられた

「政府は、この厳しい現状に目を向けていない」と、中国政府の無施策を批判する投稿もあった。

チェン氏は、子供たちが命がけの通学をしなくてはならない理由として、この村が適切なインフラを確保するための予算が不足していることを挙げている。自治体当局はこの地帯に道路を建設しようとしたことがあったが、村の負担があまりにも重いという理由で見送られた。

「私の撮った写真のメッセージで、最終的に変化が起きればいいと思っています」とチェン氏は述べた。

2016年4月には、ネパールで劣悪な通学環境に耐える子供たちがいることが報じられた。この国の過疎地に住む多くの子供たちは、学校に行くために吊り線を使って川を渡らなければならない。指をなくしたり、さらには命を落とした子もいる。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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