あなたもこれまでの人生の中で、間違いなくKISSのロゴを何回も見てきたことだろう。このバンドのロゴが最初に登場したのは1973年のニューヨークシティーでのライブ。それ以来、このKISSのロゴはロックヒストリー、またブランドヒストリーの中で最も有名なロゴのひとつとなった。
でもちょっと待ってほしい。この2つ並んだ「S」の文字、なんかそれぞれ違う字には見えないか?
ギターとボーカルを務めるポール・スタンレー、別名「スターチャイルド」は、ハフポストUS版に電話でこう話してくれた。「今も使っているKISSのロゴは、俺が定規を使ってマジックペンで書いたものなんだよ。この2つの『S』を見ると、厳密には平行になっていないだろ? 実は俺が目で見て測って書いたんだ」
「レコード会社と契約した時、美術部門から『もしバンドのロゴをきちんと描き直したいのなら教えてほしい』と言われたんだ。でも、それまでずっと使ってきたロゴだった、このままでいいって答えたんだ」
スタンレーはさらにこう語った。
「俺たちの一番のルールは、『ルールなんてない』だからな」
現在でもKISSのロゴは、ほぼスタンレーのオリジナルデザインのままだ。
今回の電話インタビューの時、交通渋滞につかまっていたスタンレーは、KISSの最新のプロジェクトとなる新しいライブ映画「KISS Rocks Vegas」について話してくれた。
スタンレーによると、KISSはラスベガスのレジデンシ―公演で「感覚のオーバーロード」の新たな高みにたどりついたという。会場が決まっているということは、毎晩の「ギター破壊の儀式」が終わった後、花火やレーザーなどのパフォーマンス用のセットを取り壊さなくていいという。
「ボトルシップを見た時に、『どうやってボトルにこの船が入るんだよ』と思うだろ? それに近い感じだよ。今回のライブは、デザイン面で言えば、おそらくこれまでの40年のキャリアの中で最高のものになるぜ」
映画「ぼくたちの奉仕活動」でポール・スタンレー役を演じたポール・ラッド。(“ROLE MODELS”)
最後にKISSが映画のスクリーンに登場したのは、ポール・ラッドが出演する2008年の「ぼくたちの奉仕活動」だった。この映画にはKISSのメンバー本人たちは出演してはいないが、クライマックスのシーンでは主人公たちがKISSに扮し、ライブアクションRPGのバトルを繰り広げている。
「ポール・ラッドはすげー面白かったな」と、スタンレーはこのシーンについて感想を語った。「KISSが映画に出るときって、たいていアメリカ文化の延長みたいな感じでしか描かれないんだよな。ポール・ラッドの演技はKISSに対する最高のほめ言葉だな」
KISSは40年以上も音楽シーンで活躍しているバンドだから、本当のポール・スタンレーは、メイクをしている時のスターチャイルドなのか、メイクをしていない時のどっちなのか不思議に思うことがある。
「俺にとってのメイクは、キャラクター作りでも変装でもないよ。本当の俺の一部をちょっと強めに出しているんだ。だからメイクをすると楽になるんだ」とスタンレーは答えた。
「それって、スーパーマンにも同じ質問をしないといけないだろ」
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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