民進党は5月20日、参院選の香川選挙区(改選数1)で推薦を決めていた岡野朱里子氏(42)の擁立を取り下げると発表した。共産党の新顔・田辺健一氏(34)を野党統一候補とする方針だ。野党が32ある1人区で共産系を統一候補とするのは全国で初めて。毎日新聞などが報じた。
7月の参院選について、民進、共産、社民、生活の党と山本太郎となかまたちの野党4党は1人区で野党共闘を進めており、香川選挙区では当初、香川選挙区には民進党が押す岡野氏が擁立されるとみられていた。
今回の擁立取り消しを受けて、民進党内部から戸惑いの声も出ている。香川県出身の衆議院議員、玉木雄一郎氏は21日、統一候補選びについて「共産党候補者との調整が決裂した」などとツイート。「共産党候補を推薦するようなことはありません」と綴った。
統一候補の調整で、いったい何があったのか。朝日新聞デジタルは次のように伝えた。
民進県連の関係者によると、県レベルでは、共産から岡野氏への支援が得られる感触があったという。しかし、全国で野党統一候補の擁立が進む中、共産系が皆無なことに共産党中央が態度を硬化。小池晃書記局長は5月16日、国会での記者会見で「田辺候補を野党統一候補にすることを実現したい」と明言していた。その後の党中央の水面下の折衝で、岡野氏が降りることになった。
共産の志位和夫委員長は20日の会見で「(共産の統一候補が)1カ所でもできると、野党共闘全体の結束度が一段と高まることは間違いない」と強調した。
(一夜にして注目区 参院選・香川、野党統一候補に共産系:朝日新聞デジタルより 2016/05/21 01:00)
民進党の岡田克也代表は20日の会見で、共産党の田辺氏への推薦については「白紙だ」と述べるにとどめた。
■玉木議員のツイートに「残念です」の声も
玉木議員のツイートには「賛同する」という意見も見られるが、「がっかりした」などの批判が相次いでいる。
なお、玉木氏は自身のFacebookページにも同様の内容を投稿。「私が共産党候補を推薦するようなことはありません」と、推薦をしないのは「私」だと明示している。