【UPDATE】2016/05/19 01:15
韓国政府は5月17日、韓国P&Gが販売する「ファブリーズ」について、使用しても問題ないと発表した。
----
韓国環境省は韓国P&G対し、布用消臭・除菌スプレー「ファブリーズ」に含まれている殺菌剤の成分を公表するよう要請した。加湿器の殺菌剤で200人以上の死傷者が出た事件を受けて、市民の間からファブリーズに含まれている成分が人体に有害なのではないかと懸念する声が高まったためだ。
韓国で販売されているファブリーズには「微生物抑制剤」などとの表記はあるが、詳しい成分は記載されていない。韓国P&Gは要請を受け、週内にホームページ上で成分を公開するという。5月16日、聯合ニュースなどが報じた。
問題視されている物質は、BIT(ベンゾイソチアゾリン)、第4期アンモニウムクロライドなどの成分だ。朝鮮日報によると、一部の専門家は、第4期アンモニウムクロライドは肺細胞を損傷させる可能性がある物質だと指摘。ファブリーズの霧を吸引し、粒子が肺に入ると、人体に悪影響があると述べたという。
YTNによると、韓国P&Gは両成分について、アメリカ環境保護庁(EPA)とヨーロッパ連合(EU)では、芳香剤と消臭剤用として利用されることが承認されていると述べた。また、ハンギョレに対しても次のように説明した。
「ファブリーズは、アメリカ、ヨーロッパ、日本などの国際的な安全性の基準を遵守しており、世界70カ国以上で販売されている」
より 2016/05/16 20:29)
主要成分が製品に表示されていないことについても、批判が出ている。コリア・ヘラルドによると、韓国では生活化学製品の成分を、すべて公開する義務がないのだという。
■日本で販売されているファブリーズの成分表記は?
なお、日本で販売されているファブリーズの成分表記も、「トウモロコシ由来消臭成分、除菌成分(有機系)、香料」などとされており、詳細は記載されていない。P&Gの会員向けサイトでは、これらの成分の働きについて説明しているが、成分の詳細は書かれていない。
安全性の確認方法については、次のように記載がある。
P&Gでは、皮膚刺激性、皮膚感作性、吸入時安全性、誤使用時の安全性(例:目への刺激、誤飲時の安全性)など、通常ファブリーズが使用される状況において考えうる全ての安全性関連事項の検討を行っております。
日本の家庭用品品質表示法では洗剤などは規定された成分を表示するようになっているが、布用消臭剤は家庭用品品質表示法のほか、薬事法の対象外となり、詳細な成分表記は義務付けられていない。このため、ファブリーズの競合製品のなかにも、ファブリーズと同様、成分の詳細を表記していないものがある。
韓国からの輸入品も同様だ。
消臭剤メーカーなどで構成される日本の業界団体「芳香消臭脱臭協議会」は、成分表示に関して自主規定を設けており、次にのように記している。
成分の表示に関しては、有効性(効果)を発揮する成分及びその他の主要な成分を一般名又は化学名で表示すること。ただし、多成分からなる混合物及び成分の特定が化学的に不可能な場合は総称名(例えば香料、植物精油、植物抽出物等)で表示することができる。
▼画像集が開きます▼