カナダの少年が、古代マヤ文明の遺跡を発見したのは意外な方法だった。
ケベック州に住む15歳のウィリアム・ガドリー君は現地に行くことなく、メキシコのユカタン半島のジャングルの中から、古代文明の遺跡を発見した。地元紙のジャーナル・デ・モントリオールによると、彼は「火の口」を意味する「ク・アアク・チ」と名付けたという。
ウィリアム・ガドリー君は2014年にカナダ宇宙庁を訪問した(写真:カナダ宇宙庁のFacebookより)
ウィリアム・ガドリー君の発見は、マヤ文明が星を崇拝していたことに興味を引かれたことから始まった。ウィリアム君は同紙にこう話した。
「マヤ文明が川から遠く離れた場所や、山中に都市を建てた理由を私は不思議に思っていました」
ガドリー君が人工衛星が撮影した地図と星座の位置関係を比較してみると、117カ所のマヤ文明の遺跡がぴったりと星座の位置に当てはまっていることが分かった。
しかし、3つの星があるはずの星座で、古代都市が2つしかないケースがあった。3つ目の星の位置にあたる場所は、メキシコとベリーズ国境上だった。ここに未知の古代都市があるはずだと確信した。
その場所はうっそうとした森林に覆われていたが、カナダ宇宙庁の助けを借りて、精細な衛星写真を提供してもらったところ、ウィリアム君は古代マヤ文明の未知の都市を発見することができた。
カナダ宇宙庁の人工衛星が、ユカタン半島のジャングルに四角い人工構造物を捉えていた(カナダ宇宙庁)
CBCラジオのインタビューで、カナダ宇宙庁のダニエル・デ・ライルさんは、次のように話した。
「ウィリアム君からもたらされたいくつかの画像によって、私たちは構造物を発見できました。これらは隆起しており、ピラミッドの遺跡かもしれません」
ウィリアム・ガドリー君は2014年にカナダ宇宙庁でスピーチした。(写真:カナダ宇宙庁のFacebookより)
【UPDATE】 - 2016年5月12日午前2時14分: 今回の「古代都市の発見」について複数の専門家から疑問視する声が出ている。
中央アメリカを研究しているテキサス大学の考古学者、デビット・スチュアート氏は、自身の Facebookで、衛星写真に現れた四角い図形はトウモロコシ畑に見えると指摘。
「古代マヤの人々は、星座に沿って都市を配置したのではありません。ロールシャッハ・テストと同じで、星と同様にマヤにはたくさんの都市があるというだけです」と記した。
人類学者で衛星写真に詳しいトーマス・ガリソン氏も、ギズモードに対して、このトウモロコシ畑は10年間から15年間も放置されているようだとコメントした。
ハフポスト・カナダ版に掲載された記事を翻訳しました。
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