馳浩文科相は5月10日、改訂作業を進めている新しい学習指導要領について、学ぶ知識の量を減らさないことを確認する「教育の強靱(きょうじん)化に向けて」と題するメッセージを発表し、「ゆとり教育」と決別するとした。学校現場や一部の与党議員から出ている「ゆとり教育に逆戻りするのではないか」という懸念の声への対応だという。朝日新聞デジタルなどが報じた。
学習指導要領は10年に1度見直されるが、2020年から順次実施される新しい学習指導要領では、児童生徒が議論などを通じ、自ら課題を見つけて解決を図る「アクティブ・ラーニング」の導入が検討されている。これに対し、産経ニュースによると、学校現場からは「必要不可欠な知識の習得を減らして、再びゆとり教育に戻すつもりなのか」といった改定への不信感が広がっているという。
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馳文科相はメッセージの中で、「知識の量を削減せず、質の高い理解を図る」とし、アクティブ・ラーニングの意義について説明。また、この日の閣議後の記者会見でも「『ゆとり教育』が『緩み教育』というふうに間違った解釈で現場に浸透してしまった。どこかで『ゆとり教育』との決別宣言を明確にしておきたいと思った」と述べた。「ゆとり教育への回帰」を懸念する声を払拭するため、「脱ゆとり」の姿勢を明確に示したものとみられている。
これに対し、ゆとり教育を受けた「ゆとり世代」と呼ばれる人々が、Twitter上で憤りの声を上げている。
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