福島第一原発事故によって福島県大熊町の双葉病院から避難し、避難先で死亡したとして、入院患者の遺族2人が東京電力に対して損害賠償を求めていた裁判で、東京地裁は4月27日、東電に合計3100万円の損害賠償の支払いを命令した。共同通信などが報じた。
双葉病院から避難した患者の死亡をめぐる判決は初めて。
訴えによると、2人は当時98歳と73歳の男性。2011年3月14~16日、病院から自衛隊員によってそれぞれ運び出され、16日に福島県いわき市内の高校体育館と二本松市内の病院で死亡した。
(東電に3100万賠償命令 福島の双葉病院、避難で患者死亡 - 共同通信 47NEWSより 2016/4/27 14:33)
双葉病院は福島第一原発から約4.5キロの大熊町内にあり、大熊町には事故翌日の2011年3月12日に全町避難の指示が出された。事故当時、認知症などの患者300人以上が入院しており、移送中の車内や避難先などで多くの患者が死亡している。
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双葉病院の避難をめぐっては、4月18日にも、89歳の別の患者の遺族が求めた損害賠償の裁判で東電との和解が成立している。毎日新聞などが報じている。この裁判の和解金額は明らかにされていない。