政務活動費900万円余りをだまし取ったとして、詐欺罪などに問われた元兵庫県議・野々村竜太郎被告(49)の論告求刑公判が4月25日、神戸地裁(佐茂剛裁判長)で開かれた。検察側は「県民の目を欺いた重大な背信行為」などとして懲役3年を求刑し、結審した。判決は7月6日。時事ドットコムニュースなどが報じた。
検察側は論告で、「出張を裏付ける資料は一切なく、虚偽であることは明らか。虚偽性を認識していた」と指摘した。
野々村被告は最終陳述で「個々具体的な記憶はないが、説明責任を果たせておらず誠に申し訳ない」と声を震わせ謝罪した。同被告は起訴内容を否認している。
(野々村元県議に懲役3年求刑=政務活動費詐取事件、7月6日判決-神戸地裁:時事ドットコムより 2016/04/25 12:27)
起訴状によると、野々村被告は2011〜13年度に受け取った政務活動費1684万円のうち913万円分について、収支報告書にうその使途を記載したり、クレジットカードの利用明細書を改ざんしたりしてだまし取ったとされる。
■震える声で最終意見陳述
野々村被告の論告求刑公判の様子について、朝日新聞デジタルは次のように伝えた。
「懲役3年が相当」。検察官が法廷で告げると、黒っぽいスーツ姿の被告はいすの背もたれに身を委ねたまま、じっと聴き入った。論告の中で「『記憶にない』と詭弁(きべん)を弄(ろう)した」と公判での態度を非難されると、黙って首を横に振った。最終意見陳述では証言台の前に立ち、やや震える声で用意した文書を読み上げた。「(今後)このような事件を起こさないこと、人にご迷惑をかけないことを誓約します」
(野々村被告「迷惑かけないと誓約」 震える声で最終陳述:朝日新聞デジタルより 2016/04/25 12:55)
野々村被告は2015年11月に予定されていた初公判に出廷せず、1月に改めて開かれた初公判では起訴された内容を否認した一方、政務活動費の使い道などについては「覚えておりません」などと繰り返した。神戸地裁は、初公判の後も1カ月にわたって野々村被告を拘置所に勾留する異例の措置を取った。
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