NHKが熊本地震への対応を協議するために開いた災害対策本部会議で、本部長の籾井勝人(もみい・かつと)会長が、「原発については、住民の不安をいたずらにかき立てないよう、公式発表をベースに伝えてほしい」と指示していた。4月23日、毎日新聞などが報じた。
会議は、熊本地震の取材態勢などを各部局の責任者が報告するもので、理事や局長ら約100人が出席して20日朝に開かれた。
関係者によると、籾井会長は会議の最後に発言。「食料などは地元自治体に配分の力が伴わないなどの問題があったが、自衛隊が入ってきて届くようになってきているので、そうした状況も含めて物資の供給などをきめ細かく報じてもらいたい」とも述べた。出席した理事や局長らから異論は出なかったという。
(熊本地震:原発報道「公式発表で」…NHK会長が指示 - 毎日新聞より 2016/04/23 02:30)
会議の議事録は局内ネットを通じて関係職員も見られるようになっていた。NHK内には「会長の個人的見解を放送に反映させようとする指示だ」「公式発表通りでは自主自律の放送ではない」「やっぱり会長はNHKの報道姿勢をわかっていない」といった声が上がっているという。
NHK広報局は「部内の会議についてはコメントできない。原発に関する報道については、住民の不安をいたずらにあおらないよう、従来通り事実に基づき正しい情報を伝えている」としている。
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