ボランティア「未経験者は迷惑」なのか? 熊本市ボラセンの答えは...【熊本地震】

熊本県内や北海道、千葉、埼玉などから訪れた823人が参加した。

4月14日からの一連の熊本地震で大きな被害を受けた熊本市で、ボランティアセンターが4月22日に開設された。

受付場所となった熊本市中央区の「(仮称)花畑広場」には、朝早くから全国から集まったボランティアが列を作った。センターを運営する熊本市社会福祉協議会は、ハフポスト日本版の現地取材に対し、県内や北海道、千葉、埼玉などから訪れた823人が参加したと明らかにした。一方、希望者の数が予想を大きく超えていたため、実際に仕事をしたのは約450人だった。このほかに受け付けられなかった人も約200人いたという。

午前10時半からの受け付けを終えたボランティアは、市電などに乗って市内各地の被災者宅や避難所などに向かった。活動参加者の交通の便を図るため、市電と市営バスにボランティアは無料で乗ることができる。遠方からの参加者には車中泊できるボランティア向け駐車場を紹介している。

被災地のボランティアを巡っては「未経験者がこの段階で参加すると足手まといになる」といった慎重論もある。ただ、県内最大の都市で政令市の熊本市ではこの日、地震の影響で休みになっている公立高校の生徒の姿も多く見られた。運営する熊本市社会福祉協議会は「どんな方でも、来て頂けるだけでありがたい」と、積極的な参加を呼びかけた。

沼川真葵さん(左)と中川恵理さん

熊本市内に住む公立高校3年生の沼川真葵さん(17)、中川恵理さん(17)は、友人同士のTwitterで広まった「ボランティアしよう」というメッセージに背中を押されて参加した。初日のこの日は、参加者に注意事項を説明するなどの間接業務に従事した。「同級生もたくさん集まったのがうれしかった」と中川さんは語る。

2人とも、自宅の被害は「食器が割れたぐらい」だったが、夜は余震を恐れて駐車場で車中泊する被災者でもある。沼川さんは「友達の中には、自宅に住めなくなってしまった子もいる。私は幸い、自宅の被害が小さかったので、自分ができるところから助けてあげたいと思いました。何もしないより、行動してよかった。学校の休みの間は参加して、ちゃんと貢献しようと思います」と話した。

中川菜穂子さん

ボランティアセンターを運営する熊本市社会福祉協議会・事務局長の中川菜穂子さんに聞いた。

――どういう方が参加しましたか。

県内の方が中心です。参加者は大多数が若い方たち。高校生から大学生ぐらいです。遠いところでは、千葉や埼玉など遠くから来た方もいました。

――被災者のニーズとは、どのぐらいマッチしていますか。

ボランティアできる内容と、被災者から求められているニーズのマッチングが難しく、マッチしたのは30件中1件ぐらいの割合でした。家の片付けをしてほしいという要望もありますが、倒壊の危険があるところは難しい。危険度が低く、独居者や高齢者、障害者の家を優先しています。

本震から1週間となり、避難所に掃除にも行っています。学校などの避難所の場合、運営は学校の先生が中心なので、先生方は疲労がたまっています。引き継ぐことで少しでも休ませてあげたいと思います。

ニーズをすくい上げるために、2万枚のチラシを被災者に配ります。今日は5000枚を配布しました。区役所、役場、民生委員の方々を通じても調べていきます。

――ボランティアをめぐっては、震災直後は参加しないという意見や、未経験者はまだ参加しない方が良いという声もあります。

どんな人にでも、来ていただけるだけでありがたいです。こちらで皆様の善意を選別することはできない。初心者も経験者も仲良く活動して、交流を深めていただければと思います。初心者の方にはいい経験になるのではないでしょうか。

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