東日本大震災から5年。2016年4月14日、震度7の「熊本地震」が発生。16日にも、熊本県熊本地方を震源とする強い地震があり、最大震度6強を観測した。
ペットを飼っている被災者は今、一緒に避難できているだろうか。地震に驚いて逃げ出してしまった犬猫もいるかもしれない。Twitter上には、ペットの情報を求める声が相次いでいる。熊本市動物愛護センターには、迷子犬猫の問い合わせが殺到。同センターは、ペットの首輪に名前と連絡先の明記を呼びかけている。
地震に備えて、ペットを飼っている人たちが日頃から準備しておくことは何だろうか。どんな準備をしておけば良いのだろうか。以下に知っておくべきことをまとめた。
■地震が起きたら…ペットと同行避難が合理的
環境省によると、東日本大震災など大規模災害の経験から、飼い主とペットが同行避難することは合理的だと考えられている。ペットの同行避難は、動物愛護の観点だけでなく、放浪動物による人への危害防止や生活環境の保全という視点においても必要とみなしている。
環境省のガイドラインによれば、飼い主責任による同行避難が前提であるが、自治体などによる支援、救護体制を整備することも重要だとしている。行政のみで対応が困難な場合は、地方獣医師会、動物愛護推進員、ボランティア団体などとの連携も推奨している。
■同行避難するために、普段からできること
とはいえ、慣れない同行避難のために普段から備えておくべきことがある。避難所で共同生活をする場合は、動物が苦手な人、アレルギーを持っている人等への特別の配慮が求められると同時に、ペットにとっても大きなストレスとなる。また東日本大震災時には、フィラリアなど伝染病の予防接種をしていないペットが問題になった。飼い主として、ペットの命にも責任を持とう。
【飼い主が行うべき対策例】
・ペットのしつけと健康管理(避難時に吠えないようにする、ケージに入れる訓練)
・ノミやダニの予防、伝染病の予防接種
・ペットが迷子にならないための対策(マイクロチップ等による所有者明示)
・ドッグフードやペット関連の衛生用品、避難用品、備蓄品の確保
・避難所や避難ルートの確認等の準備
・ペットとの同行避難
・避難所・仮設住宅におけるペットの飼育マナーの遵守と健康管理
■熊本県、動物愛護などの関連施設
主な施設は以下の通り。
現在、一般財団法人 ペット災害対策協議会も、行政機関や獣医師会などと連絡をとりペットの救護活動支援の準備を進めている。その他、福岡県獣医師会や動物愛護団体なども、保護犬猫の受け入れを表明している。