放送ジャーナリストの草分けで、長寿番組「秋山ちえ子の談話室」(TBSラジオほか全国で放送)を40年以上続けてきた評論家の秋山ちえ子さんが4月6日、呼吸器感染症のため東京都内の自宅で死去した。99歳。葬儀は近親者で営んだ。共同通信などが報じた。
秋山さんは、1917年(大正6年)生まれで、本名は橘川ちゑ。東京女子高等師範学校(現・お茶の水女子大学)を卒業後、聾唖学校の教師を務め、結婚後中国へ。48〜56年、NHKラジオ「私の見たこと、聞いたこと」などを担当。54年、ラジオによるルポルタージュという新分野を開拓したとして第2回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した。
秋山さんは67年以降、戦時中に餓死させられた象の物語「かわいそうなぞう」の朗読を続け、戦争の悲惨さを訴え続けた。
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「秋山ちえ子の談話室」(当初は「昼の話題」)は57年9月にスタート。毎週月〜金曜日の10分弱のミニ番組ながら、日々の話題を分かりやすく説明し、時には鋭い批判も加えながら評論した。67年からは終戦記念日の8月15日に、東京・上野動物園で戦時中に餓死させられた象の物語「かわいそうなぞう」(土家由岐雄作・金の星社)の朗読を毎年続け、戦争の悲惨さを訴え続けてきた。
(訃報:秋山ちえ子さん99歳=評論家、ラジオで「談話室」 - 毎日新聞より 2016/04/12 15:05)
著書に「大晦日のローストビーフ」「風の流れに添って」「種を蒔く日々 ─ 九十歳を生きる」など多数。91年に菊池寛賞、97年に東京都文化賞を受賞。
秋山さんが朗読した「かわいそうなぞう」はこちらで聴ける。
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