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しかし、ある新しい研究は、この関係を逆転させている。もしあなたが食事によって体重を減らそうとするのであれば、高タンパクの食事がおすすめだ。なぜなら、それは実際に、睡眠の質も改善するからだ。
「我々の研究は、減量中食べたものが、睡眠を改善に関連していることを示しています」とパデュー大学の栄養科学の教授ウェイン・W・キャンプベル氏は語った。
キャンプベル教授とチームは、高タンパク食によって睡眠が改善したことを調査するため2つの研究を実施した。1つ目の研究は、植物または動物由来のタンパク源が、そのカロリーに比べて睡眠に影響しないことを発見した。
2つ目の研究は、タンパク質の摂取が睡眠に与える影響を調べる研究で、より少ない量のタンパク質を摂取するよりも、高タンパク食のほうが個々の睡眠改善に高い効果が見られたという。
タンパク質の由来ではなく、摂取量が重要
最初の研究は、太り過ぎもしくは肥満の34歳成人が対象で、牛肉と豚肉、もしくは大豆とマメからタンパク質を摂取してもらった。被験者はさらに3つの小さなグループに分けられ、それぞれ、タンパク質を10%、20%、30%ずつ摂取するグループにした。
研究グループは、睡眠のスコアを自己報告してもらい、参加者の睡眠の質を計測した。睡眠時間の計測のほか、睡眠をサポートするグッズの利用や、夜間に起きた頻度、睡眠の深さ、寝付くまでの時間など睡眠の質に関わる他の要素を調査した。
タンパク質の種類は、睡眠の質に影響しないようで、実際に牛肉と豚肉を食べた被験者と、大豆とマメを食べた被験者は同じようなスコアだった。一方で、タンパク質10%よりも20%で構成された食事をしたグループに睡眠の改善が見られた(ただ、タンパク質30%の食事を摂ったグループは、他よりも良い睡眠の改善は見られなかった)。
高タンパクにすればするほど、快適な睡眠
被験者が摂取したタンパク質が、どのように睡眠に影響したのか。さらに調査するために、研究グループは2つ目の研究を立ち上げた。それは、高タンパクと通常の場合で、睡眠を比較することを目的とした。
2つ目の研究は、最初の研究は、太り過ぎもしくは肥満の44歳成人が対象で、4カ月間、高タンパクか通常量のどちらかの食事にするようにランダムに分けた。各グループの摂取した食べ物は一貫していた。
通常量の被験者は、炭水化物パウダーを摂取するため、牛乳由来のプロテインパウダーを含む高タンパク食は摂らなかった。被験者ごとのタンパク質の摂取量は、体重によって決められ、高タンパク食の被験者には通常よりも2倍の量を与えられた。
研究グループは、再び睡眠のスコアを使用したが、月ごとに被験者に更新してもらった。低いスコアを報告した高タンパク食の被験者数は、研究期間を通して減った。4カ月の最後に、低いスコアを報告した被験者数は研究開始時の半分だった。一方で、低いスコアを報告した一般食の被験者数は、研究を通して急増していき、4カ月の終わりまで増えていった。
なぜ睡眠はタンパク質を好むのか
では、なぜ高タンパク食は、より良い睡眠を促進するのか。以前の研究では、睡眠サイクルに関連する脳の神経伝達物質などが、食べたものによって影響される可能性を示していた。具体的には、その調査結果は、高タンパク摂取することで身体のインスリンを変え、アミノ酸を循環させるのだ。アミノ酸は、セロトニンとメラトニンの両方に関係しており、両物質は睡眠に影響を与える。キャンプベル教授の研究が、それらの数値を計測していなかったとしても、この結果は彼の研究結果を裏付けるものだろう。
なぜ、睡眠とタンパク質が関係しているのかの判断は専門家に任せよう。しかし、もし体重を落として、よく眠りたいなら、ここまで述べたデータはタンパク質が重要だと教えてくれる。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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