高橋みなみ、10年前の自分に言いたいことは…?【一問一答】
AKB48の高橋みなみ(25)が8日、東京・秋葉原のAKB48劇場で行われた『高橋みなみ卒業特別記念公演~10年の軌跡~』をもってグループを卒業した。囲み取材終了後、報道陣から拍手で見送られると、感極まった高橋は「ありがとうございました」と大粒の涙をこぼし「どんどんメンバーをいじってあげてくださいね!」と最後の最後まで後輩たちを思いやった。
◆以下、一問一答
――今の心境は?
高橋「きょうのリハーサルで初めて卒業するんだなと、アタマから泣いちゃいました」
――横浜スタジアムで開催された卒業コンサートと、最後の劇場公演に思い入れの違いはありますか。
高橋「違いますね。大きなコンサートは皆さんへの感謝を伝える場所。会場も広いので大きなパワーを届けなきゃという空気が大きすぎて、楽しいって気持ちが前のめりだけど、劇場というホームで250人のお客さんと向き合うと、どうしても10年前の自分に戻ってしまう。ホームだった場所にもう帰れない寂しさや、これが最後なんだと」
――リハーサルで卒業公演を実感した理由は。
高橋「普通、卒業公演は今までいたチームの演目プラス卒業曲4曲くらいなのですが、去年の末に自分のチームを解散させてしまったので。秋元先生などに相談した時、『やりたいことをやったほうがいいんじゃないか』と言われて、自分でセットリストを組みました。最初はどうしても『桜の花びらたち』をアカペラで歌いたいと、リハーサルで無音の中、客席を見たとき、これはちょっと(感極まって)歌えないなと。メンバーにも『早い』と笑われましたね(笑)」
――お客さんの反応はどうでしたか。
高橋「普通、卒業公演は自分では楽曲を選ばないのですが、選ばせていただいたからこそ、やりきれた。もう劇場でやりたい曲はないくらい。でも自分で選んだ分、反応が気になりました。皆さんが楽しんでくれたので、これこそホームだと思いました」
――過去の劇場公演の表題曲を並べた意味は?
高橋「どういう形でお送りするのがいいかすごく悩んだ。最初は『たかみなやり残した公演』として、やったことのないユニットや、すごいブリブリな曲とか並べたけど、これは最後にはふさわしくない、と。1期生として劇場公演の演目を6個経験できたのは宝だし、ありがたい。歴史として振り返って前に進むことは大事かなと」
――前田敦子さん、板野友美さんら昔の仲間も駆けつけた。
高橋「『目撃者』公演(チームA 6th Stage)のときに、自分がキャプテンを務めていたので、『高橋チームA』を卒業したメンバーを含めて招集させてもらって。懐かしい景色だったり、『桜の花びらたち』で前田が隣にいることだったり、一瞬であの時の空気感に戻れるのはすごい。何かあった時に来てくれるのは、やっぱり仲間だな」
――10年前と変わったことは。
高橋「遊び心を持てるようになった。舞台に立つことはナマモノだし、真剣だし、あくびをする人も見えてしまう距離で、そこに向き合うことを真剣にやりすぎて遊び心を持てなかった。ここ3年くらいは『もっと楽しくやっていいんじゃないか』と。250人だけに届けることはすごく面白いこと。後輩たちもファンを獲得しなきゃと必死にやりがちだけど、楽しむことが一番大事なんじゃないかな」
――10年前の自分にかけたい言葉は。
高橋「まず『髪型変えて』って言いたい。頑なにハーフアップにしてた。ファンの方に覚えていただけるように。ここ(こめかみ)が後退して、あやうくはげそうだった。ボヤ騒ぎで髪が燃えて髪が結べなくなったので、自由になって、自分の幅が広がった。自分はこうだ、こう見せたいってことより、相手が言ってくれたことを信じて、穏やかに柔軟に生きてほしいと言いたい」
――後輩には何か言葉をかけたか。
高橋「あまり言わなかったです。伝えるべきことは(卒業発表からの)1年のなかで伝えられたかな。背中で姿勢として見せられたらいいと思ったので、あえてそんなに言葉はかけなかった。(公演の)最後、後ろを振り返って『ありがとう』と言ったのが唯一かな」
――小嶋陽菜や峯岸みなみら最後の1期生に思うことは。
高橋「自分の中で心残りなんですよね。小嶋と峯岸を残して卒業していくのは。10年のプランでは、私より先に卒業していくと思ったんですけど…ただ(峯岸が)坊主になったり、小嶋さんも卒業するする詐欺でにぎわせていますし。キャラの濃い2人が残ったなと思います。自分が先に旅立つことになりましたけれども、2人の卒業の時は呼ばれたら行きたいなと思います」
――AKBという肩書がなくなって、あすまず何をしたいか。
高橋「仕事ですよ(笑)。朝9時から『Girls Award』のリハなんですから。だから、きょうの打ち上げでお酒を飲み過ぎてベロベロにならないようにしなきゃ。適度に乾杯しながら、新しい自分の一歩目に向けて調整したい」
――メンバーに“答辞”をするとしたら。
高橋「過去にとらわれてほしくない。10年に積み上げてきたものに寄せていくのではなく、11年目を0からみんなで楽しく、AKBを愛して作っていってほしい。それだけです」
――改めて劇場で学んだことは? どんな場所だった?
高橋「毎日立つうえで、遊び心を持ったほうがいいとか、何を目標とするべきか。そして、ファンの方あっての自分たちというのがわかりました。きょうも、倍率もすごかったけど、お客さんが7人の時があったことが、人生の糧になります。いつかまた観に来た時、満員であってほしい。学校では学べないことを教えてもらいましたし、青春のすべてがあそこにありました」
――時間ができたらプライベートで何をしたいか。
高橋「時間がないんですよ(笑)。仕事をぶちこみまくってしまったので、ひとまず走り抜けたい。忙しいことはありがたいことなので、身体を壊さない程度に頑張りたい」
――最後に劇場の床をなでた時の心境は?
高橋「二度と劇場公演という形ではあの板を踏むことはできないので、一個一個の傷を見ると10年の歴史を感じて、思わず『ありがとう』という気持ちで触りました」
――総監督を引き継いだ横山由依にかけたい言葉。
高橋「グループとして11年目は大変な時期。そのタイミングで彼女に総監督を背負わせてしまうのは申し訳ない気持ちでいっぱいですけど、総監督ということで名前を知ってもらうチャンスだと思ってほしい。不器用なところもありますが、周りのメンバーを一緒に頑張ろうと思わせてくれるところが魅力なので、楽しく自分らしくやってほしい。頑張るではなく、“顔晴る”。顔晴れやかにやってほしい」
――壁掛け写真を外した時の心境は?
高橋「壁掛けだからフックにかかってると思ったのに、マジックテープだったのでびっくりしました。(写真をもらえると聞き)遺影みたいになりませんか? 恥ずかしいな~。でもチームの中に入っていた自分の顔が抜けるというのは、『たかみなが死んだ』と思いました。ああ、一回終わったなと」
――今後、秋元康氏のようにプロデュース側に回る意欲は。
高橋「秋元さんの代わりはやっぱりいない。ただ10年やってきたなかで、メンバー構成や楽曲は現時点ではわかってるけど、これから船は進んでいくので、メンバーや楽曲が増えたら、私の知らないAKBになる。ただもし、来年とか(プロデュース公演の)話が来たら名前を伏せてやりたいですね(笑)」
――ソロシンガーとしての意気込みを改めて。
高橋「私は秀でてる才能がない。ダンスも歌もめちゃくちゃうまいわけではない。ただ、才能がないならないなりに努力すればいいとAKB48に教わりました。1人になって苦しい時期もあると思うけど、AKBで成長したように、ゆっくりゆっくり学びたい。秋にはたくさんのアーティストさんに書いていただいてアルバムを作ることができるので、音楽という形でも皆さんに何か届けられる女性になりたい」
――最後にファンにひとこと。
高橋「あれだけ人数がいるなかで私を選んでくださった私のファンの皆さん、ありがとうございます。いろんな形で支えてくださっているファンの皆さん、スタッフの皆さん、これだけの記者の方たちに集まっていただけるのは、本当にすばらしい環境だなと思います。10年いて思ったのは、死ぬほど忙しい時期があって、感謝することを忘れていた自分がいたのを悔やんでいます。当たり前に仕事があると思ってはいけない。AKB48の後輩たちはたくさんの人に感謝の気持ちを込めながら、きっとこれから頑張ってくれると思うので、AKB48グループの応援をよろしくお願いします。本当に10年間ありがとうございました」
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