民主、維新両党は、合流して3月27日に結成する「民進党」の政調会長に、民主党の山尾志桜里・衆院議員(41)を登用する方針を固めた。若手の女性登用で新党をアピールする狙いだ。山尾氏は国会で「保育園落ちた日本死ね」という匿名ブログを取り上げ、注目を集めていた。主要ポストに当選2回の若手を据えて党の刷新イメージを強調する狙いがある。24日に産経ニュースなどが報じた。
朝日新聞デジタルによると、新党代表に内定している岡田氏が山尾氏側に起用方針を伝えたという。幹事長には民主党の枝野幸男幹事長が就く。代表代行は維新の松野頼久代表か江田憲司前代表を充てる方向で調整を進めているが、両者は固辞している。
■山尾志桜里議員、元検事で1児の母
山尾氏は宮城県仙台市出身。東京大学卒業後、検察官を経て、2009年の衆院選で民主公認で愛知7区から立候補して初当選。12年に落選したが、14年に再選を果たした。1児の母。公式サイトによれば、小学6年、中学1年のときにミュージカル『アニー』で初代アニー役を演じたという。
2月29日の衆院予算委員会で、「保育園落ちた日本死ね」の匿名ブログを取り上げて安倍首相に待機児童問題を追及。安倍首相は「匿名である以上、実際に起こっているのか確認しようがない」と答え、議員席からは「誰が書いたんだよ」「本人を出せ」などとヤジが飛んだ。この質問は、当事者たちが一斉に声を上げ始めるきっかけになった。
保育園問題を国会議員に伝えるためのネット署名活動には約2万8000人の賛同が集まり、匿名ブログに賛同する育児中の女性らが、山尾氏に署名を手渡した。山尾氏は塩崎恭久・厚生労働相に署名の受け取りを求め、塩崎氏は「ブログに書かれていることはよく分かる」と応じた。
待機児童改善を訴える民主党の山尾志桜里氏(左端)、母親らから署名を受け取る塩崎恭久厚生労働相(右)2016年03月09日