今も横行する女性器切除 根絶に向け立ち上がった6人の男性たち

女性性器切除の風習が認められているエチオピアのとある地域で、数人の男性たちがこの習慣に終止符を打とうと立ち上がった。

伝統的な風習として行われ、時には受けた人を死に至らしめることもある女性性器切除(FGM)。女性性器切除が認められているエチオピアのとある地域で、数人の男性たちがこの習慣に終止符を打とうと立ち上がった。

3年前、南西エチオピアのシダマゾーンで、地域のリーダーたちがFGMを行うことによってもたらされる危害に対し、議論するグループが編成された。それはプラン・インターナショナルの児童福祉プロジェクトの1つであった。

「最初はみんなこの話をするのを恥ずかしがりました」と地域リーダーの1人であるマテウォス・ケケボさんは、プラン・インターナショナルのインタビューで述べた。「私たちは教会での礼拝、コーヒー・セッションで話しました。古い習慣をもつ性器切除施術者に参加してもらうように招待しました。この村でFGMが最後に行われたのは1年以上も前のことになります。」

FGMとは部分的あるいは全体の外部女性性器を切除するものだが、この慣習は、ユニセフによって定められた児童の権利を侵害していると考えられている。ユニセフの報告によると、世界中で少なくとも2億人の少女と成人女性たちがFGMを受けたとされる。その半数以上がたった3つの国に集中している。その1つがエチオピアだ。

6人の男性たちが、FGMの習慣を終わらせるために立ち上がった理由について語っている。

1. 妹のため

プラン・インターナショナルに支援されているボーイズクラブのメンバーである、14才のアレマイェフ君。

「男の子としてFGMについて話すのは、時々気まずい感じがします。でも勇気を出しました。もし僕と他の少年たちが黙っていると、僕たちの姉たちや妹たちそして友達が死んでしまいますから」

「両親は僕の話すことを聞いてくれるようになりました。僕たちの村の施術者は、僕の姉たちにFGMを行いました。姉の1人は出産がとても困難で、死にそうになりました。両親は、僕の妹はFGMを受けなくてもよいと約束しました」-- アレマイェフ, 14才, 学生

2. 娘のため

「プラン・インターナショナル・プロジェクトが私たちの村で始まったとき、私たちは、自分たちの伝統的習慣に疑問を持たれることに逆らいました。しかしすぐに、FGM、児童結婚、児童への肉体的処罰、そして一夫多妻制など、私たちの伝統的習慣の多くが良いものではないとわかり始めました」

「私の妻はFGMを受けました。子供を産んだときにFGMによって障害が起き、今も苦しんでいます。家事をやり通すのも、彼女には時々難しくなります。彼女はセックスには興味を持ちません。セックスの間は何も感じません」

「私がFGMがもたらす危害がどのようなものかを知っていたら、私の娘たちにはFGMを受けさせなかったと思います」-- アベベ・ドナ, 45歳, 村長

3. 孫のため

「私には3人の娘がいて、3人とも12才で切除手術を受けました。自分の娘たちが切除手術を受けることは当然だと思っていました。儀式を受けなければ、地域の人々は私の娘たちを相手にしなかったでしょう」

「プラン・インターナショナル・プロジェクトが村に来たとき、私はそれに反対しました。よそ者が私たちの村に来て、私たちの伝統的習慣が有害だと主張したことを、不愉快に感じました」

「FGMがもたらす危害に関する実際の話を聞いて、徐々に私の考えは変わりました。今、私には3人の孫娘がいます。彼女たちにFGMを受けさせたいと思いません」-- シャラモ・シャナナ, 65才, 農夫

4. 妻のため

農夫であり教師でもあるマテウォス・ケケボさんは、彼の地域でのFGMへの反対運動を指揮している。

「私はFGMを既に受けた女性と結婚しました。彼女にとって生理と出産がどれほど痛々しいものかを見てきました。2回目の出産の後、子宮感染症にかかりました。医者はFGMが引き起こしたものだと言っていました」

「もし私に娘がいたとしたら、FGMは受けさせないでしょう。私はこのプロジェクトがもっと早く私たちの村に来てくれたら、私の妻はFGMから逃れることができたのにと思います。」-- マテウォス・ケケボ, 26才, 農夫・教師

5. 姉のため

「僕の姉は21才の時、出産の間に亡くなりました。医者はFGMに原因があると言っていました。FGMの傷により、赤ちゃんが通りぬけることができず、私の姉はひどい裂傷と出血で苦しみました。赤ちゃんも死んでしまいました。この時に、僕の両親は他の姉妹にはFGMを受けさせまいと決心しました」

「村の人々が、FGMが及ぼす危害について、もっと正しく知らされていたら、僕は姉を失うことはなかったでしょう。」-- ビルハニュ, 15才, 学生

6. 生徒のため

「私たちの学校では、FGMの危険性について教育しています。以前は、多くの女子生徒たちがFGMを受けるため長い間学校を欠席していました。FGMを受けた彼女たちは、その後もっと頻繁に欠席するようになってしまうのです」

「私は学校のディスカッショングループの立ち上げに協力しました。メンバーはFGM、児童婚、危害を及ぼす他の様々な習慣に関して議論をします。メンバーはそれぞれ自分たちの地域にも情報を伝えました。これは大きな進歩をもたらしました。男子生徒たちもメンバーに加わり、切除を受けていない女性への偏見を捨てる宣言をしました」-- ケベベ・ムンタシャ, 38才, 校長

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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