2015年1月、武装集団がパリのシャルリー・エブドの事務所に乱入して発砲し、12人を殺害したとき、世界は「私はシャルリー」と声を上げて犠牲者を追悼した。
同年の11月に同じくパリで同時多発テロが起こって130人が亡くなった時には、世界中の人々が#パリのために祈ろう というハッシュタグで哀悼の意を表した。
2016年3月13日、トルコの首都アンカラで車に積まれた爆弾が爆発し、37人が死亡し大勢が負傷した。このテロの数時間後、トルコの首都に住む23歳のジェームス・テイラーさんがFacebookにこう投稿した。「人々は『私はシャルリー』と言い、パリのために祈りました。だけどアンカラのためには?」
「アンカラのテロ事件は、イギリスだったらノーサンプトンにあるデベナムズ(大手デパート)やバーミンガムのニューストリート、もしくはロンドンのピカデリーサーカスの外で、爆弾が爆発したようなものです」と、テイラーさんは説明している。
そして爆発現場にいることを想像してほしいと訴えた。 それは「いつも横切る道路が完全に破壊されていて、通勤途中で毎日見かける人や、自分と同じような人、幸せに暮らしている普通の人たちが犠牲になっている」風景だ。
「彼らはパリの人々と全く変わらない人たちです。たまたまトルコ人だったのです。多くの人がトルコは中東だと考えていますが、そうではありません。アンカラは戦場ではなく、他のヨーロッパの都市と同様、現代的で活気にあふれた街です。爆発が起こったクズライ地区はその中心部です」と、テイラーさんは書いている。
「ロンドンやニューヨーク、パリでテロが起こった時、世界中の人が悲しみ、犠牲者を追悼しました。なぜアンカラの爆発では、同じことが起きないのでしょう」と、テイラーさんは記した。「アンカラがこれらの都市と同じだと思っていないからでしょうか? それとも、シリアやイラクやその他内戦状態にある国々と同じように、トルコがイスラム教の国だからでしょうか? だからそういった国を気にかけないように、トルコのことも気にかけないのでしょうか?」
テイラーさんの投稿は1日で9万人以上にシェアされ、多くの人からコメントが寄せられた。
3月13日にトルコ・アンカラの中心部クズライ地区で起きた爆発で破壊されたバスの残骸
世界中から山のようなメッセージを受け取ったテイラーさんは翌日、恐縮した様子で次のように感謝を捧げた。
「この16時間でFacebookに寄せられた美しさ、優しさ、そして温かさは、ここアンカラで毎日経験しているものと全く変わりませんでした。憎むことは簡単です。無視することも簡単です。なぜ愛することがとても難しいのでしょう」
「私たちはパリです。私たちはアンカラです。私たちはシリアです。私たちはコートジボアールです。でも何よりもまず、私たちは人間なのです」
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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