「若者雇用促進法」に基づいて、就職活動中の学生が求めた場合、企業に職場情報の提供を法律で義務付ける制度が3月1日からスタートした。
産経ニュースによると、若者を酷使するブラック企業が社会問題となる中、職場の実態を事前に知ることで就職先を選びやすくし、不本意な早期離職といったつまずきを防ぐ狙いがあるという。
1日には2017年春に卒業予定の大学生らの就活が本格スタートしたこともあり、企業選びの有効な手段となることが期待されているが、罰則が設けられていないことなどから効果を疑問視する声も出ている。
■若者雇用促進法ってどんな法律?
若者雇用促進法の正式名称は「青少年の雇用の促進等に関する法律」という。若者が適切に職業選択を行い、能力や希望に応じた就職の機会を得ることが目的だ。
2015年9月の法改正に伴って、3月1日からは就活生からの要請があれば職場情報を提供することが義務づけられた。対象は以下の3項目のうち、それぞれ1つ以上となっている。
(1)募集・採用に関する状況
・過去3年間の新卒採用者数・離職者数
・過去3年間の新卒採用者数の男女別人数
・平均勤続年数
(2)職業能力の開発・向上に関する状況
・研修の有無及び内容
・自己啓発支援の有無及び内容
・メンター制度の有無
・キャリアコンサルティング制度の有無及び内容
・社内検定等の制度の有無及び内容
(3)職業能力の開発・向上に関する状況
・前年度の月平均所定外労働時間の実績
・前年度の有給休暇の平均取得日数
・前年度の育児休業取得対象者数・取得者数(男女別)
・役員に占める女性の割合及び管理的地位にある者に占める女性の割合
職場情報を求める具体的な手続きとしては、採用ページでのプレエントリーの際に企業側に尋ねるほか、書面や電子メールで学生が氏名や連絡先、学校名などを企業に示した上で、何を知りたいか希望を伝えてもいいという。ハローワークや大学の就職課が扱っている求人に関しては、その組織を通して企業側に伝えることができる。
■企業側には「不利益な取扱い」をしないように周知
学生が企業に直接、情報開示を求めると、企業側に敬遠されそうだが、厚労省では企業側に「不利益な取扱い」をしないように求めている。同省のリーフレット「若者雇用促進法のあらまし」によると、職場情報の提供を求めた若者を不採用となったケースでも「不利益な取扱いがされた」とは言えないが、以下のような行為をしないように、ハローワークでは企業への周知を行うという。
・情報提供を求めた者に対してのみ、説明会等の採用選考に関する情報を提供しないこと
・説明会において、情報提供を求める行為をマイナスに評価している言動を行うこと
・面接において、当該応募者が情報提供を求めた事実に触れること
■ネット上では効果を疑問視する声も
今回の法改正についてネット上では、企業がウソの情報を回答しても罰則はない上に、問い合わせをした学生が企業に敬遠される恐れがあるなど、効果を疑問視する声も出ている。
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