高市早苗総務相が政治的公平性を欠く放送を繰り返した放送局の電波停止に言及したことについて、田原総一朗氏や岸井成格氏、鳥越俊太郎氏らジャーナリスト6人が2月29日、東京都内で記者会見を開き、「発言は、憲法や放送法の精神に反している」「私たちはこの一連の発言に驚き、そして怒っている」とする声明を発表した。毎日新聞などが報じた。
会見したのはジャーナリストの青木理、大谷昭宏、田原総一朗、鳥越俊太郎、TBSキャスターの金平茂紀、岸井成格・毎日新聞特別編集委員の6氏。ジャーナリストの田勢康弘氏も呼び掛け人に名を連ねた。
アピール文は、総務相発言は「放送による表現の自由を確保し、放送が健全な民主主義の発達に資することをうたった放送法第1条の精神に著しく反する」と指摘。一方で、「自主規制やそんたく、萎縮が放送現場の内部から広がることになっては危機は一層深刻だ」とし、現場の萎縮に警鐘を鳴らした。
(ジャーナリスト6人:「電波停止」言及に非難声明 - 毎日新聞より 2016/02/29 22:31)
鳥越氏は「そもそも放送局の電波は国民のものであって、所管官庁のものではない」などとする声明文を読み上げ、「高市発言はある種のどう喝だが、背後には安倍(晋三)政権のメディアに対するおごった姿勢がある」と指摘した。
田原氏は、岸井氏をはじめ安倍政権に批判的とされるキャスターが相次いで降板することを挙げ「偶然かもしれないが、軌を一にして骨のある人たちが辞めていくのはテレビ局が自粛したように見える。断固はね返すべきだ」と訴えた。
岸井氏が2015年9月にアンカーを務める「ニュース23」(TBS系)で「(安全保障関連法案に)メディアとしても廃案に向けて声をずっとあげ続けるべきだ」と発言したことについて、保守系の学者らでつくる「放送法遵守(じゅんしゅ)を求める視聴者の会」が2015年11月、「放送法に対する違反行為だ」と批判する意見広告を産経新聞と読売新聞に出した。広告への感想を問われた岸井氏は「低俗だし、品性どころか知性のかけらもない。恥ずかしくないのか」と答えた。
高市早苗総務相の停波発言に対し、抗議の横断幕を掲げる民放キャスターら=29日、東京都千代田区
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