4万年前、なぜネアンデルタール人は滅んでしまったのだろう?
正確な答えをみつけるのは難しいが、疫病や気候変動説が有力視されてきた。しかし2月に科学誌「米国科学アカデミー紀要」に掲載された最新研究は、別の可能性を指摘している。約4万5000年前にヨーロッパ大陸にやってきたホモサピエンスと競う能力が無かったというのだ。
ネアンデルタール人の頭蓋骨
研究に携わったスタンフォード大学の生物学者、マーカス・フェルドマン博士は「2つのグループが対立した場合、より発達した文明を持つグループがたとえ人口が少なかったとしても、相手を侵略し打ち負かす」とハフポストUS版に説明した。
ここでいう「文化」とは狩猟の技術やコミュニケーションの能力、予期せぬ環境の変化に対応する能力のことだ。
また、両者は実際に戦ったようだ。「ネアンデルタール人とホモサピエンスの間で、多くの戦いがあったと考えられます。全ての道具が建設的な目的で使われたわけではなかったのです。斧は、何かを作るためだけではなく、破壊するためにも使えます」とフェルドマン博士は述べている。
ネアンデルタール人は、ホモサピエンスよりも知能が低かったのだろうか? フェルドマン博士はこの考えをきっぱりと否定する。
「遺伝的の優性が問題ではありません」と述べるフェルドマン博士は、ネアンデルタール人とホモサピエンスは同等の知能を持っていたという別の研究にも同意している。
今回の研究は、ホモサピエンスの出現が、ネアンデルタール人の絶滅につながったことを示している。しかし、ネアンデルタール人の遺伝子は受け継がれている。
研究によると、人類の中で先祖がアフリカ以外の起源を持つ人たちは、ほんの少しではあるネアンデルタール人のDNAを持っている。
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。