SF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でタイムマシンとして使われた自動車「デロリアンDMC-12」(通称:デロリアン)の生産が2017年に、アメリカで復活することになった。1月28日、共同通信などが報じた。
この車が登場したのは1981年。開発・生産したのは、ゼネラルモーターズ副社長だったジョン・ザッカリー・デロリアンが退社後に設立したデロリアン・モーター・カンパニーだった。デザインは、イタリア人のジョルジェット・ジウジアーロが担当。ステンレスむき出しのボディに、ガルウイング式の跳ね上げドアを搭載する近未来的な外観だったが、1982年に同社が倒産したことで、計9000台程度が生産されただけで終わった。
しかし、1985年に ロバート・ゼメキス監督の映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に使われたことで人気が沸騰。現在まで「幻の名車」としてカルト的な人気を誇っている。
2015年10月21日に再現された「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」に登場する生ゴミで動くデロリアンの動画
■非力だったエンジンを改良。350〜400馬力に
CNNによると、今回生産するのは、テキサス州ハンブルにあるデロリアン・モーター・カンパニー。もともとデロリアンを作っていた同名の会社とは無関係で、デロリアンの修理・中古販売を手がけている。製造は300台限定で。価格は、10万ドル(約1200万円)になる見込みだ。
今回の製造には、工場閉鎖後に大量に残されていたパーツが使われるが、エンジンは改良。オリジナル版では130馬力と非力だったが、今回は350~400馬力のV6エンジンが搭載されるという。
現在の安全基準に適合した形でデロリアンを製造するのは難しいが、2016年内に施行される見込みの新規制では、レプリカ車については、エアバッグや衝突テストといった安全基準への適合を求められることなく製造が可能になるという。これによって、約35年ぶりとなる生産への道が開かれた。
テキサス州の地元メディア「クリック・2・ヒューストン」は、デロリアン・モーター・カンパニーのスティーブン・ウインCEOのコメントを次のように報じている。
「これは素晴らしいことです。私たちにとって、ゲームチェンジャーとなる出来事が起きたのです。今回のような法改正をずっと待ち望んでいました」
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