全国で「TSUTAYA図書館」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と連携、新しい市立図書館の建設計画を進めている山口県周南市で、推進派の市議が1月21日、市民団体からのアンケートを「ゴミ箱におとします」と自身のブログで“報告”した。
■「住民投票を求める署名活動からして理解できない」
この市議は、周南市議会の最大会派「新誠会」の代表を務める兼重元(かねしげ・はじめ)議員。周南市では、CCCとともに図書館を核施設とする駅ビルの建設計画を進めているが、全国各地でTSUTAYA図書館問題が指摘されていることを受け、市民団体「山口県オンブズマン市民会議」(沖田秀仁代表)が計画の是非を問う住民投票を求めている。
市民団体ではすでに2015年12月、住民投票条例制定の直接請求に必要な有権者数を超える署名簿を提出(有効数は8737筆)。これをふまえ、1月12日付けで市議会議員に対しても、住民投票条例案に賛成か反対か、またその理由について問うアンケートを送付しているという。
これに対し、兼重市議は自身のブログで「本日会派会議をもち、件のアンケートは『ゴミ箱におとします』で決定した」と報告した。その理由に、「一連の住民投票条例制定の直接請求を求めるための署名活動からして、今時点に至るも皆目理解できない」として署名活動自体を否定。「真面目に受け答えをするようなことか、取り合うことでもなかろう」と、会派で一致したことを明かしている。「アンケートの顛末」と題されたこのエントリの文末は、「とにもかくにも関わりたくないのが本音。悪しからず」という言葉で締めくくり、最初から取り合うつもりがない態度を明らかにしている。
■アンケートの公表は「揺さぶり」で「やくざと一緒」
兼重市議はこれまで、市民団体や住民投票を求める活動に対し、批判を繰り返してきており、1月13日のブログでも「滑稽ですね」と題して、こう述べている。
まず、この種のアンケートなるものに市議会議員が回答する必要は一切ないと言うことを指摘しておきます。
下手に対応すると悪しき前例を作ることになるでしょう。
つまり無視しておけばいいだけの話。
(滑稽ですね | 日々徒然より 2016/01/13)
また、市民団体がアンケートの結果を市民と報道機関に公表するとしたことについても、強く反発。たとえ、マスコミからのアンケートも、無回答であっても「問題にはならない」という認識を示している。
「アンケート結果は複写して市民と報道機関に無償配布します。」だと!
要は、アンケートという衣を被った脅しであり、揺さぶりということですね。
やくざと一緒、一切相手にしないことが最良と思われます。
彼らが、市議に対していかなるテーマであれ、この種のアンケートを行う公的正当性は皆無。
あくまでも、個人的私的行為に過ぎないと言うことです。
それに対して一々対応してしまったら、大変なことになるでしょう。
例えば「アレに対しては回答したのに、なぜこれには対応できないのか」なんて言われかねませんよね。
マスコミによるアンケートに対しても、無回答がありますが、問題にはなりません。
(滑稽ですね | 日々徒然より 2016/01/13)
■武雄市では市民が訴訟、小牧市では住民投票で反対が上回り白紙撤回
周南市議会では今後、住民投票制定条例案を審議する臨時会を2月に想定しているという。
TSUTAYA図書館に関しては、CCCが指定管理者を務める佐賀県武雄市の武雄市図書館や、神奈川県の海老名市立図書館で、選書問題などさまざまなトラブルが発生。武雄市では市民らが、改修に関する契約や、蔵書購入で違法な点があったとして、樋渡啓祐前市長に損害賠償請求するよう求める2つの訴訟が起こされている。
こうした一連の問題を受け、CCCと連携して新図書館計画を進めていた愛知県小牧市では、計画の是非を問う住民投票を2015年10月に実施。反対が賛成を上回り、小牧市は白紙撤回を余儀なくされている。
また、市民からの陳情書をゴミ箱に捨てた写真をブログに公開したとして、2013年に大阪市の井戸正利市議が、維新市議団の役職辞任と団員としての活動を3カ月停止する処分を受けている。
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