人が忙しく行き交う駅を通り抜ける旅人にとっても、音楽が聞こえてくるのは心地よいものだ。
それが理由かどうかはわからないが、フランス国鉄はいくつかの駅に、誰でも自由に弾けるピアノを置いている。
「A vous de jouer(あなたが弾く番ですよ)」として知られているこのピアノが、今年3月に小さな奇跡を起こした。幸運な旅行者は本当のショーを体験することが出来た。全く初めて知り合った2人が美しい二重奏を披露したのだ。
Advertisement
ピアノの前に座り、ルドヴィコ・エイナウディの「Una Mattina」を披露する男性。そこに、白いシャツを着た男性が近づいて、「素晴しい」と言った表情で見つめていた。するとその男性は、1:10の所で突如演奏に加わり、演奏にオリジナルのアレンジを加え始めたのだ。
二人の男性は曲が進んでもほとんど互いを見ることはなかったが、徐々に立ち止まって演奏を聴く旅行者の数は増えていった。
2:50あたりで、二人の演奏の盛り上がりはピークを迎え、4:30頃に再び盛り上がった。この時には駅全体が彼らへの畏敬の念で停止したかのようだった。
盛大なフィナーレの後、彼らは控えめに肩をすくめ、ハイタッチだけして演奏を終えた。音楽は世界共通の言語とよく言われるが、音楽が持つ魔法をこの場にいた人は身をもって体験したのではないだろうか。
Advertisement
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
【関連記事】
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー