全国のパチンコ台の釘が違法に改造されていると警察庁からの指摘を受けて、メーカーの業界団体が大規模な自主回収に乗り出すことになった。全国のパチンコ台約300万台のうち数十万台に上る可能性があり、1996年以来20年ぶりの規模になる見込みだ。産経WESTなどが報じた。
■どんな不正なのか?
現在のパチンコ台の多くは、盤面の中央にある「始動口」(通称:ヘソ)に玉が入ると、デジタル抽選のルーレットが始まる。ルーレットが「777」などと数字が揃って「大当たり」になると大量の玉が出る仕組みになっている。
このほか、盤面の左右などにある「一般入賞口」に入ると「小当たり」として10個程度の玉が戻るが、ヘソに玉が入りやすくなるように釘が不正に曲げられたせいで、一般入賞口には入りにくくなっている台が全国的に普及していたという。利用者はヘソの「大当たり」を狙うしかなくなり、ギャンブル性が高くなるため風営法で禁じられている。
こうした不正な釘は、パチンコ台がメーカーからした出荷された段階で曲げられていた可能性がある。パチンコ台は一般財団法人「保安通信協会」の検定に合格しなければ出荷できない。しかし、2015年の「遊技産業健全化推進機構」の全国調査によると、検定時と同性能のパチンコ台が1台も見つからなかったという。
業界団体の広報誌「日遊協」2015年12月号に掲載された警察庁の11月6日付けの通知文書には以下のように書かれている。
8月までの調査結果によれば全国161店舗258台の遊技機について、約6割が一般入賞口に玉が全く入らず、残りの4割についても10分間に10個も入らないとのことであり、検定機と同性能のぱちんこ遊技機が1台も発見されない事実からすると、メーカー出荷時に既に性能が異なっている可能性も払拭できない
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