福島第一原発事故で帰還困難区域となっている福島県双葉町で12月21日、原発推進の道路看板から「原子力 明るい未来のエネルギー」などの標語が撤去された。朝日新聞デジタルなどが報じた。
これは国道6号と閉鎖中のJR双葉駅をつなぐ道路にまたがるゲート型の広告塔。1987年度の国の「広報・安全等対策交付金」で建てられて、原発事故後も放置されていた。地元紙「福島民友」によると、作業は1月10日まで。看板は双葉、浪江両町に整備される復興祈念公園などでの将来的な展示を視野に、双葉町役場内の倉庫に復元可能な状態で保管する。
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「原子力 明るい未来のエネルギー」の標語は双葉町に住んでいた当時小学6年生の大沼勇治さん(39)が考案した。大沼さんらは「原発事故の悲惨さと教訓を後世に伝えるためにも残すべきだ」として、町内外の賛同者約6000人以上の署名を集め、双葉町に撤去反対を申し入れた。しかし、町は「老朽化で部品が落下する恐れがある」として、2015年度中の撤去を町議会で議決していた。
看板撤去について、標語の発案者である大沼さんは「看板は原発を推進した町の歴史を伝えるシンボル。分かってはいたが撤去は残念。一時帰宅の時の風景が変わってしまう。原発に翻弄された自分にとって撤去は歴史的な日になる」と話したという。
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