夫婦別姓を認めない民法の規定が違憲かどうかをめぐる訴訟で、最高裁大法廷は12月16日午後、判決を下す。判決で、明治時代から続く夫婦の姓のありかたに関する規定の見直しの議論につながるかに注目が集まる。
この訴訟は、東京都内の事実婚の夫婦ら5人が国に計600万円の慰謝料を求めて起こしたもの。夫婦の姓を定めた民法750条は、「夫または妻の氏を称する」と、男女平等の規定になっているが、原告側は「結婚すればどちらかの姓を名乗ることを強制され、精神的苦痛を受けた。規定は男女平等の権利を保障した憲法に反する」などと訴えている。
一審・東京地裁は「別姓の権利を憲法が保障しているとは言えない」として請求を棄却(2013年5月)。二審・東京高裁も「違憲とは言えない」と判断した(2014年3月)が、最高裁が審理を大法廷に回付し、憲法判断が示されることになった。
夫婦別姓をめぐっては、法相の諮問機関「法制審議会」が1996年、夫婦が同じ姓を使う「同姓」だけでなく、結婚前の姓を使い続ける「別姓」も選べる「選択的夫婦別姓」を答申した。また、日本は1985年、選択的夫婦別姓を認める「女性差別撤廃条約」に批准しており、国連の女性差別撤廃委員会も2003年と2009年、法改正をするよう、日本に勧告していた。
これに対し日本は、2014年9月の報告で、「民法等の改正については、国民の理解を得て行う必要がある」と弁明。「引き続き、国民意識の動向の把握に努め、また、国民の議論が深まるよう情報提供等に努めている」と説明した。
■様々な意見
国民の間では、「別姓を名乗ると家族の一体感が失われる」「再婚禁止期間の見直しは結婚制度の崩壊につながる」など、夫婦別姓への反対論は根強く、慎重な議論が進められている。
今日の判決をめぐる一連の報道について、ネットからは、
・役所の処理的には結婚しても変更手続きないほうが楽
・子供に何かあって学校から職場へ連絡があっても誰宛だか伝わらないなど、不便
・夫婦別姓にすると子供がいじめられそう
・夫婦別姓によるいじめがあること自体がおかしい
など、様々な意見が出た。
作家の乙武洋匡さんは、産経ニュースの世論調査で、自分は夫婦別姓を希望はしないが、制度の設置に「賛成」とする人が多数となる結果が出たことを受け、「うれしいニュース」などとツイートした。
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