ワタミグループの居酒屋「和民」で働いてた26歳の森美菜さんが過労で自殺し、遺族が会社や当時代表取締役だった渡邉美樹・参議院議員らに損害賠償を求めている裁判が、12月8日、東京地裁で和解した。ワタミ側は法的責任を認め、約1億3000万円を支払う。47NEWSなどが報じた。
この訴訟は、この裁判では、2008年6月に投身自殺した森さんの両親が、自殺の原因は会社側が安全配慮義務を怠ったためとして、ワタミ側に対し損害賠償を求めていたもの。森さんは2008年4月に、ワタミフードサービス(現ワタミ)に入社。神奈川県横須賀市の店舗に配属され、休日がほとんどないまま午後3時から平日は午前3時、週末は午前5時の閉店後も働くという長時間勤務が続き、同年6月に自殺した。
渡邉氏は2014年に出廷した際に、「道義的責任について重く受け止め、心よりの謝罪を申し上げます」などと述べ、法廷で頭を下げたものの、ワタミ側は恒常的な長時間労働ではなかったとして、請求棄却を求めていた。
今回の和解では、ワタミ側が自殺は過労が原因だと認めて遺族に謝罪するとともに、約1億3000万円の損害賠償を支払うことになった。ワタミは公式サイト上に、「本日に至るまで、原告側にご心労を与えたことを、心からお詫びするとともに、関係各位に対しましてもご心配をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。現在、当社におきましては、労働環境の改善に鋭意取り組んでおり、同様の事案の再発防止に努めております」などと記した文書を公開した。
また、渡邉氏はFacebookで、次のように謝罪文を公開した。
―和解のご報告―
かねて皆様にご心配をおかけいたしておりました、
労災訴訟につきまして
本日、原告と和解に至り、先ほど裁判所内で、
ワタミの元女性社員のご遺族に直接、
衷心より謝罪を申し上げました。
和解文の通り、もっとも重い責任は、私にあることを認めます。
ワタミも企業として、再発防止を誓い、ご遺族のご両親様から
ご指摘頂いた改善策を、
和解文の通り受け入れさせて頂きました。
また、和解までの道のりで、ご両親様を傷つけた
これまでの態度、認識、発言はすべて取り消し、
重ねて謝罪させて頂きました。
ベンチャー企業として創業したワタミは、
私のリーダーシップと情熱の元、急速な拡大成長をとげました。
しかし、その過程で起きてしまった今回の事実は、
とり返しのつかないことであり
私の人生最大の反省点であります。
私もワタミも、和解の趣旨を誠実に実践し、
自らと会社を改革して参ります。
自らの胸に深くこの言葉を刻みます。
「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」
平成27年12月8日
渡邉美樹
(渡邉美樹氏 Facebookページより 2015/12/08 17:33)
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