フィンランドは、約540万人の全国民に、月額約11万円(800ユーロ)の「ベーシックインカム」を支給する検討を始めた。2016年11月までに最終決定される見通しで、導入されれば世界初となる。ガーディアン紙などが報じた。
ベーシックインカムの支給に要する総予算は、522億ユーロ(約7兆円)にも及ぶが、支給の開始とともに、政府による他のすべての社会福祉の支給を停止する予定のため、政府は複雑化した社会福祉制度を一本化することにより、間接的な費用の支出を抑えられる。
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ベーシック・インカムとは、就労や資産の有無にかかわらず、すべての個人に対して生活に最低限必要な所得を無条件に給付するという社会政策だ。
ベーシック・インカムの大きな特徴は、以下の2点。
・社会保険など従来の所得保障制度が何らかの受給資格を設けているのに対し、これは無条件で給付する。
・生活保護などは世帯単位の給付制度であることが多いが、こちらは個人単位を原則とする
欧米諸国の間では、オランダの都市ユトレヒトも、ベーシックインカムの試験制度の導入を決定している。
不況により、フィンランドの失業率は約10%に及ぶ。2015年秋の経済見通しによれば、フィンランド経済は、深刻な状況にあり、GDPの伸び率は実質ゼロ。失業率は上昇し、失業期間は長期化している。経済状況の悪化とともに、ベーシックインカムの支持が高まり、フィンランド人の約70%が支持しているという。
駐日フィンランド大使館は、以下のようにツイートしている。
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