「人間は自然に内包される」日本の田園地帯で、アート作品が人間と自然を一体にする

里山の美しさや豊かさと、そこに積層した人間の時間を、アートが浮きあがらせる。
H. KURATANI

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野外芸術祭「越後妻有アートトリエンナーレ」は、日本有数の豪雪地・越後妻有(新潟県十日町市、津南町)を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭だ。アートを通じて地域探訪を深め、コミュニティを築くのが、芸術祭の狙いだ。

MASANORI IKEDA

コンセプトは「人間は自然に内包される」。縄文期からの豪雪や河岸段丘といった厳しい条件のなか、人々は米づくりをしてきた。人間と自然がどう関わっていくか――。里山の美しさや豊かさと、そこに積層した人間の時間を、アートが浮きあがらせる。人々は五感を開放して、生の素晴らしさや記憶を全身に蘇らせるのだ。

OSAMU NAKAMURA

この芸術祭は、2000年から3年に1度、約760平方キロメートルに広がる棚田とブナ原生林地帯を舞台に、開催されてきた。人口7万人という過疎高齢化の進む地域に、開催以来、世界中から約50万もの人々が訪れた。

AYUMI YANAGI

アーティストはこの地で、作品を置く場所を選び抜かなければならない。自身の作品と周囲とを融合させ、環境との関係性を探ろうと努める。場所選びには、地元と対話と協働が欠かせない。しかも、一箇所にまとめて作品が展示されるわけではなく、約200の集落に散在させる。意図的に、現代社会の合理性・効率化との不調和を狙った「ひどく非効率な」アプローチでもあるのだ。

GENTARO ISHIZUKA

静かなひと時を、越後妻有アートトリエンナーレで感じてみよう。今すぐ自然の世界を、さまよいたくなるかもしれない。

GENTARO ISHIZUKA

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OSAMU NAKAMURA

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この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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