2007年、アメリカ・シカゴに暮らす青年ジョン・マルーフが、オークションで大量の古い写真のネガを手に入れた。その写真は、瞬く間にネット上で反響を呼び、発売された写真集はアメリカで売上1位の記録。ニューヨークやパリ、ロンドンで開催された展覧会にも多く人がつめかける事態となった。
写真の撮影者は、ヴィヴィアン・マイヤー。ナニー(乳母)だったマイヤーは、すでに亡くなっていたが、15万枚以上の作品が残されていた――。
そんな彼女の軌跡をまとめたドキュメンタリー映画「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」が、10月10日からシアター・イメージフォーラムほかで公開される。
彼女が一体どんな人物なのか。どんな人生を歩んだのか。マイヤーの遺品や大量の作品を手に入れたマルーフは、ミステリーを紐解く旅を始めた。マイヤーを知る100人以上の人物をインタビューし、その秘密に満ちた半生を記録に残していったという。
ヴィヴィアン・マイヤーの残した遺品の数々
映画のオフィシャルインタビューで、監督兼プロデューサーを務めたマルーフは、マイヤーの人生について「彼女は、ノマドとして生き、いつでも自由に写真を撮りたかったんだと思う。当時の独身女性として仕事はあまりなかったと思うし、ナニーはちょうど良かったのでは?」と語った。
また共同監督のチャーリー・シスケルは、「ヴィヴィアンはプライベートな部分は頑なに人に見せていなかった」として、以下のように製作を振り返った。
「彼女を知っている人の中に、彼女がアーティストであることを認知している人はいませんでした。なぜなら、ヴィヴィアンはプライベートな部分は頑なに人に見せていなかったからです。(中略)世間が知るヴィヴィアンと、遺品が語るヴィヴィアンの二面性を積み重ね、一人の人物像を浮き上がらせることはとても難しく、チャレンジングな仕事となりました」
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