難民を中傷するイラストを日本人の漫画家がFacebookに投稿し、「人種差別主義だ」などと国内外から批判が殺到した。イラストは、イギリス在住の写真家が撮影した実在するシリア難民の少女の写真と酷似しており、漫画家は10月7日に自身の投稿を削除した。
イラストを投稿したのは「はすみとしこ」氏。難民の少女の絵とともに、「安全に暮らしたい 清潔な暮らしを送りたい 美味しいものが食べたい 自由に遊びに行きたい おしゃれがしたい 贅沢がしたい 何の苦労もなく 行きたいように生きていたい 他人の金で。そうだ 難民しよう!」と書かれていた。
さらにイラストに描かれた少女の姿が、国際支援NGO「セーブ・ザ・チルドレンUK」に勤務する写真家、ジョナサン・ハイアムさんがレバノンで撮影した写真の少女に酷似していると指摘も出た。
ハイアムさんは10月4日、Twitterにコメントを投稿。「このような偏見を表現するために、無垢な子供の写真が使われることに対して衝撃を受け、深く悲しんでいる」「シリアの人々の惨状をこのように歪めて伝えるなんて、恥知らずだ」などと批判した。
これを受けて、イラストを制作したはすみ氏は、投稿を削除。「著作権には侵害していないとの認識ですが、今回の件で大変な迷惑を被ったであろう彼の意見を尊重し、当該イラストを削除致しました」とFacebookにコメントしている。
また、はすみとしこ氏はイラストを制作した意図についても、次のように綴った。
このイラストは全ての難民を否定するものではありません。本当に救われるべき難民に紛れてやってくる偽装難民を揶揄したものです。
例えばドイツでは、難民には月間約17万円が支給されます。これは、パートで働くより良い収入です。日本にもドイツにも、これを初めから目当てにしてやってくる「移民」や「難民」がおり、さらに人権派弁護士が裏について、あらゆる権利を行使できるように口添えしてる実態があります。
本当の難民は保護すべきですが、シリアで働くよりも月額17万円の保護を受ける方が良いと思い、自分の国を自力で再建するのでは無く、難民と称して移民するのは問題があると思います。
真面目に働いて、税金を納めている方々の税金が、その自称難民達に対する援助には使われるべきでは無いと思います。
私は、難民であるのか無いのかをきっちり調べ、本当の難民であれば人道的に助けるべきだと思っていますが、一部(報道では3割)の偽難民がそれを権利と思いやってくる事に問題を感じ、問題提起として、偽難民について皆さんが考えるきっかけをつくりたかったのです。
(Facebookページ「はすみとしこの世界」より 2015年10月8日 1:56)
なお、はすみ氏のイラストに対抗するかのように、難民支援を呼びかけるイラストもネット上に投稿されている。
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