もしあなたが、すべてに対して「イエス」と答えたらどうなるだろうか? 「イエスマン」というジム・キャリー主演の映画があったが、お人好しやご機嫌とりは、心理学で言うところの「性格類型」だ。
周りの人々を喜ばせることに幸せを感じる性格の人を「ピープル・プリ―ザー」という。たしかに、立派なことだ。でも、体にいいかというと、そういうわけではない。他人を喜ばせるのはいいことだけど、こういうタイプの人は結局やりすぎてしまう。
2012年の調査によると、「ピープル・プリ―ザー」は、無言の社会的圧力に流されやすい。この調査で明らかになったのは、「ピープル・プリーザー」は友人と一緒にデザート(この調査ではキャンディ)を食べていると、その友人が食べている量に合わせて、その場が気まずくならないようにする傾向があるということだ。言い換えると、自分自身よりも、相手が快適に思うことを優先するのだ。
「一般的に、ピープルプリ―ザーたちは衝突を恐れており、不愉快な口論や意見の不一致を避けるため、ほとんど何に対しても賛同したり、『イエス』と答えます」。社会心理学者のスーザン・ニューマン氏は、2014年Yahoo! Health US版でそのように語った。
だが、この世のすべてのイエスマン(またはウーマン)が知っておくべき真実がある。それは、友人のいとこからの招待や、職場で自分が責任を負う必要のない仕事に対して「ノー」ということは、何ら問題ないということだ。誰かからの提案や頼みを丁重に断るということは、気まずく感じられるかもしれないが、長い目で見ると自分にとって良いことをしているのだ。
とはいえ、ピープルプリ―ザーたちは、自分の積極的な姿勢を制御することはできない。あなたがピープルプリ―ザーかもしれない、いくつかの兆候をご紹介しよう。
1. 誰かに「ノー」と言うと、身体に痛みを感じる
その結果、あなたは時間外労働を引き受けたり、金曜の夜に本当は家にいたくても外出したりすることが多くなる。なぜか? それは、あなたが最も苦手なのが、誰かを失望させることだからだ。
2. 謝りぐせがある
電車で誰かの道をふさいだら謝る。メールの返信が少し遅れたら謝る――何かにつけてあなたは謝ってしまう。うっかりダイニングチェアにぶつかっても謝ってしまうだろう。
3. 衝突が怖い
言い争いを好む人はいない一方で、ピープルプリーザーたちは一般の人々よりも口論を避ける。そして、それがより大きな問題に発展することがある。
「衝突を問題解決のチャンスだと捉えてみたらどうか」とマサチューセッツ大学アマースト校で心理・脳科学を研究するスーザン・クラウス・ホワイトボーン教授は助言する。彼女は心理学サイト「Psychology Today」のブログで、問題を解決するうえで第一に交流が必要となる理由を説明している。
「多くの場合、コミュニケーションの基本的なテーマやリスペクト、好奇心、そして別の観点を検討しようとする前向きな気持ちは、あなたの最も大切な人との間に生じる困難な局面を、うまく切り抜けさせてくれます」と彼女は書いている。
4. 過剰に自己弁護しがち
たまに何かをできないとなると、その理由について事細かに説明することが多い。だが、そこまで罪悪感を覚える必要は全くない。そんなあなたにうってつけの言葉がある。「あなたは何をしても良い。だが、すべてをできるわけではない」
5. どんな招待でも受けてしまいがち
本当は行きたいわけでもない、結婚式や映画、変なボーリング大会など。
6. 自分を証明しようと働きすぎる
これは仕事にも人間関係にもあてはまる。繊細すぎる人々と同様、ピープルプリ―ザーたちは、批判を嫌い、ポジティブな反応を喜ぶ。それにより、自分の上司やパートナーを満足させるために、自分がするべきことをすべて行おうと働きすぎてしまう。
7. ディナーの店を決めるのに気が進まない
決断=苦痛。本当に幸せなのは、素敵な仲間とレストランに行くこと。ディナーの店は韓国焼肉だろうとイタリアンだろうと関係ない。
8. おそらく質問があっても手を上げようとしない
ミーティングの場には、2つのタイプの人間がいる。ひとつめは、質疑応答の時間にしきりに手を上げるタイプ。もうひとつは、後で聞きたいことを静かにメモするタイプ。ピープルプリ―ザーたちは、自分の問題に注目が集まることを好まない。それよりも先に他人の問題を解決することに集中する。
9. 実は皆に頼られる人間であることが好き
同僚や家族、友人を助けると気分が良くなる。そのうえ、科学も自分を味方している。ある研究では、他人に優しく接したり助けたりすることで、自分の幸福度レベルも上がる可能性が示されている。
他人のために、自分の性格を使っていたら、自分の役にも立っていた……? それこそが「イエス」と言う理由なのだろう。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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