「招致の桜」エンブレム、継続使用はダメ なぜ?【東京オリンピック】

東京オリンピック大会組織委員会は暫定的に、招致活動で使用していた桜のエンブレムを使用する。しかし、桜エンブレムは、本大会用には使用できないという。

佐野研二郎氏デザインのエンブレムの使用中止を受け、東京オリンピック大会組織委員会は9月1日、公式サイトなどから佐野エンブレムを削除し、招致活動で使用していた桜のエンブレムに差し替えた。新しいエンブレムが決まるまでの暫定措置だ。しかし、桜エンブレムは、本大会用には使用できないという。

スポニチによると、国際オリンピック委員会(IOC)の指針で「大会エンブレムは招致ロゴに取って代わるもので、発表まで機密事項として管理すること」などと定められていることが理由。組織委は「これらの要件を満たすため、招致ロゴを継続して使用することはできない」と説明した。

オリンピック大会のエンブレムはライセンス商品として管理されており、その利用権を販売することで、大会の運営資金などを得る仕組みとなっている。

毎日新聞によると、例えば1社あたり150億円の巨額の契約費を支払って国内最上位のスポンサー「ゴールドパートナー」になると、エンブレムを独占使用できる。

しかし、招致活動に使われた桜のエンブレムは無償で多く配布されていることもあり、組織委の布村幸彦副事務総長は、「有償で(権利ビジネスの)ライセンス展開するのは難しい」と話した。

桜のエンブレムは、2011年11月に発表。当時、女子美大生だった島峰藍さんの作品だ。リースをかたどったデザインについて島峰さんは、「リースには“再び戻る”という意味がある。五輪で日本に活気を戻したい」と述べ、震災からの復興と1964年以来2度目のオリンピック開催への思いを込めてデザインしたと語っていた。

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