佐野研二郎氏のエンブレム、原案から決定案までの過程が判明

東京オリンピック大会組織委員会が佐野研二郎氏がコンペに提出したエンブレムの原案を提示。決定案が決まるまでの課程を説明した。

東京オリンピック大会組織委員会が8月28日、都内で会見を行い、盗作疑惑が出ていたエンブレムについて説明した。組織委は佐野研二郎氏がコンペに提出した原案を提示。ベルギーのリネージュ劇場のロゴとは似ていない事を強調した。

大会組織委員会によると、佐野氏の原案は長方形と三角形、そして円を組み合わせたデザインだった。しかし、商標登録されているデザインの中に原案と似ているデザインが見つかったため、組織委は佐野氏に修正を依頼。あらためて出てきた案は、円の位置を変更し、また、三角形に曲線の要素を取り入れたものだった。

しかし、組織委は「躍動感がなくなった」という理由から、再度修正を依頼。そして完成したのが決定案だ。1964年の東京オリンピックを継承するデザインとなっていた。

1972年札幌冬季オリンピックのエンブレム制作者で審査委員の永井一正氏は、佐野氏デザインのエンブレムには「展開力」があると強調した。ここで言う展開力とは、エンブレムを構成する四角形や円などのパーツを分解して再構成することで、新しいデザインが生み出さされるということを意味している。

TOKYO Organising Committee 動画より

永井氏は「これだけ優れた展開力に富むデザインだ。今はみなさんは1つのロゴだけで見ているかもしれないが、このエンブレムが色々なことに使われるようになると、なるほどと、納得してもらえると思う」と、佐野氏のエンブレムを使うことに自信を見せた。

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