中国の天津市で8月12日に発生した爆発事故の現場近くにある川「海河」で、唖然とするほどおぞましく、不安を掻き立てるような光景が現れた。そこには川岸に打ち上げられた大量の魚たちがいた。その全てが死骸だ。
魚の死骸は爆発現場からおよそ6キロほど離れた場所で発見された。爆発現場から発生した有害物質が影響したのではないかと、気味の悪い兆候として地元では深刻な不安が増大している。倉庫には少なくとも2500トンの有害化学物質が貯蔵されており、それが川に流れ込んだのではないかという見方がある。
しかし、中国当局は今回の爆発と魚の大量死の関連を否定した。
天津の環境局は、爆発による生態系への長期間の影響を調査する。
中国当局は、天津の川に打ち上げられた魚の死骸は富栄養化による影響を受けた可能性がある。原因はまだはっきりししない
シアン化物拡散の不安が増す中、大量の魚の死骸が天津の爆発現場近くの川岸に打ち上げられた
ガーディアン紙によると、爆発から1週間以上経った今でも、軍の部隊が汚染物質の除去作業にあたっている。
爆発現場の近くを流れる廃水には、安全基準の数百倍にあたるシアン化ナトリウムが検出された。ある場所では基準値の356倍の数値が出た。シアン化ナトリウムは少量でも人体に影響を及ぼす非常に危険な有害物質だ。
中国当局は、20日に魚が大量死した海河から採取した水のサンプルには、有害レベルのシアン化物は検出されなかったと主張している。天津環境保護局のデン・シャオウェン局長は、調査チームが魚の死骸の分析にとりかかると述べた。しかしシャオウェン局長は「夏に地方の川で魚が大量死するのは珍しくない。夏には水質が悪化するからだ」と断言した。
しかし、爆発現場周辺の住民は疑いの目を向けている。
20日のニューヨーク・タイムズによると、川岸にいたワン・リーさん(47)は「こんなのは見たことがありません」と語った。「魚が死んだのと爆発は関係があるに違いありません。こんなにたくさん死んだのを他にどう説明できますか?」
天津の当局者は爆発現場から6キロ離れた川で大量に魚が死んだことを受けて、調査が進んでいると述べた。
大量の魚の死骸が化学物質倉庫の爆発現場近くで打ち上げられた
ABCニュースによると、12日の爆発ではこれまで114人が死亡、700人以上が負傷し、現在も70人が行方不明。爆発の衝撃は車が溶け、家が砕かれるほどの衝撃だった。
住民たちは情報の提供と破損した住宅の保障を要求し続け、習近平国家主席は徹底した調査を約束した。
ニューヨーク・タイムズによると、習近平国家主席は党中央委員会の会合で「この事故で多くの犠牲者が生まれ、財産が失われた。流された血を代償とした教訓を重く受け止めなければいけない」と述べた。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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